スタート時刻に合わせたかのように雨が降り出した上海インターナショナルサーキット。
スタートの瞬間、最初の波乱が発生する。「僕のキャリアでも初めての失態だ」と本人が語るように、予選3番手のアロンソ(フェラーリ)がフライングスタートの失敗を犯してしまった。またポールポジションのベッテル(レッドブル)もチームメイトのウェーバーに先行されて3番手にドロップ。
オープニングラップの混乱はこれだけでなく、ブレーキングでスピンを喫したリウッツィ(フォースインディア)がブエミ(トロロッソ)と小林可夢偉(ザウバー)を巻き込みながらリタイア。この多重クラッシュによってペースカーが導入される。
スタート時は小雨だったことから、ほぼ全車がスリックタイヤでスタートしていたが、このペースカーラン中に雨足が強くなりはじめ、慌ててタイヤ交換のためにピットインする者とコース上に残る者とに分かれた。結果的にこの判断が最終的なリザルトに大きく影響することとなる。
コース上にステイした主なドライバーは、ロズベルグ(メルセデスGP)、バトン(マクラーレン)、クビサ(ルノー)、ペトロフ(ルノー)らという顔ぶれ。雨は強くなりかけたものの、小康状態となりコース上はスリックタイヤの方がインターミディエイト(浅溝レイン)よりも速いコンディションとなった。
そして再び雨足が強くなり、ロズベルグはコースを一旦オーバーランしてしまいバトンにトップの座を明け渡す。すると22周目に他車と接触したアルゲルスアリのマシンからパーツが脱落した影響で再びセーフティーカーが導入された。
トップのバトンはリスタート後もポジションを守り通し、今季2勝目をマーク。2位にはハミルトン(マクラーレン)、3位はロズベルグというポディウムの面子となった。
4位はフライングスタートのペナルティから見事に挽回したアロンソ、5位はクビサ、6位はベッテル、7位はロシア人初のポイントを獲得したペトロフ、8位ウェーバー、9位マッサ(フェラーリ)、10位シューマッハ(メルセデスGP)というドライバーたちが入賞している。