本国では何とアバルト版も登場したようだが、とにかくホノボノとチャーミングなのが、このフィアット『500C』の魅力。
とくにソフトトップ付きのルックスは、小さいのに優雅な雰囲気で、“C”が付かないベース車でも、いっそ耐候性レザーを探してルーフに貼り付け“なんちゃって500C”に仕立てたいほど。
トップは全開状態では、畳まれたトップが、後方視界をほぼ遮る。なので、リヤウインドを残しルーフ部が最大限まで開く状態での走行が(開口部も事実上最大だから)オススメだ。
オープンボディは強化されているそうだが、固定ルーフに対しては、ボディ全体が適度にユルい。が、それも許せる範囲だし、リヤのツイストビーム等のチューンも専用らしく、車重の差(1.2POP同士でプラス40kg)、前後重量バランスの違いも好影響し、ベース車よりヒタッと揺れの少ない乗り心地を実現している。
1.2リットルと1.4リットルがあるが、1.2リットルでもベース車とほぼ同等の走りを実現。ちなみに実用燃費サイト「e燃費」で輸入車1位の成績を収めたフィアット500だが、レポーターの手元にある1.2リットルも、14インチのウインタータイヤで、少し前に22km/リットル+を記録している。
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。