5ナンバー枠いっぱいの長さと幅、大きなグラスエリアが印象的なキャビン、おだやかな乗り心地。
『セレナ』に似ている、と思った。小型低重心で走り重視という旧型のコンセプトが受け入れられず、セレナのベストセラーを許したとあれば、路線転換もしかたないところか。
おかげでハンドリングはおだやかになったけれど、ミニバンだからこれでいい。エンジンが2リットル一本になり、トランスミッションが5速ATからCVTになったことも新型の特徴。これはセレナと同じというより、現在のトレンドに合わせた結果だが、おかげで2リットルでも元気に加速していける。
一方デザインはシャープなラインや斬新なインパネでカッコよさを追求した旧型から、初代や2代目を思わせるボックスシェイプに戻った。インパネもブロックを積み重ねたような角型基調。
多くの人が『ステップワゴン』と聞いて連想するデザインになっている。そのうえでサードシートが床下格納できるようになるなど、ユーティリティはしっかり進化。ユーザーはもちろん、セールス側にもうれしいモデルチェンジじゃないだろうか。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)など。