日産とルノーのコラボレーションから生まれた新型SUVとのことだが、ありていに言って日産の『デュリアス』と『エクストレイル』をベースに作られたルノーブランドの姉妹車。基本メカニズムは完全に日産のものだ。
でも乗ってみるとちゃんとルノーの味がするのは、デザインだけでなく足回りのチューニングなどにもルノーの意向がしっかり入っているためだ。
アウディ『Q5』など、ドイツのSUVが硬めの乗り味としているのに対し、『コレオス』はゆったりした感じの柔らかな乗り心地を実現する。フランス車らしさが存分に表れている部分だ。
2.5リットルエンジンとCVTとの組み合わせも上々で、静かで滑らかな走りが味わえる。SUVとして構えて乗るようなクルマではなく、普通の乗用車に乗るような感覚で乗れるクルマだった。
コレオスは韓国にあるルノー三星の釜山工場で生産されていて、さまざまな韓国製の部品が使われている。耐久品質については短時間の試乗では判断できないが、試乗中には韓国製であることのデメリットは何も感じられなかった。ルノー関係者によれば、フランス製のクルマと比べて、納車前整備の手間はむしろ少ないくらいだという。
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。