09年夏のミドルクラスは、Fクラスの機能とスペックを継承したハイパフォーマンスナビとして登場。4アンテナ・4チューナーを搭載し受信感度と画質をさらに向上し、Bluetoothケータイを介したGoogleマップ連携を実現するなど、意欲的な機能追加にも取り組んだモデルだ。新ミドルクラスの商品企画について、パナソニック株式会社オートモーティブシステムズ社 市販ディビジョンの田中秀彦氏に話を聞く。
◆ミドルクラスラインナップを充実
----:例年ならば夏商戦ではハイエンドの『Fクラス』が登場しますが、今年の夏はポータブルの『ストラーダポケット』に加えてミドルクラスの3モデルが登場しました。まずそれぞれの位置づけをお教えください。
田中:1DIN+1DINのインダッシュタイプに『CN-HX900D』、2DINモデルに『CN-HW880D』と『CN-HW850D』をラインナップしました。900および880はBluetoothユニットが内蔵のモデルです。
----:このタイミングでFクラスではなくミドルクラスのリニューアルを図った理由は。
田中:狙いとしては、従来のFクラスをお求めやすくしてミドルクラスとしたことです。発表会でも予告しましたが、この秋にこの上を行く新Fクラスを登場させる予定です。
◆普及価格帯で4×4
----:新ミドルクラスのトピックは。
田中:昨年秋に登場したミドルクラスの『CN-HW830D』と『CN-HW800D』は、ワイドVGA化したり地デジチューナーやBluetooth内蔵機種を用意したりと大幅にスペックアップを果たしたモデルでした。この夏の新モデルはこの方向性をさらに一歩進めて、“(12セグ+1セグの)フルセグにこだわり、画質にもこだわる”、ということをテーマとしました。全モデルワイドVGA採用で4チューナー・4アンテナ搭載として、画質・受信感度ともに大幅に向上しました。
----:4x4搭載モデルを普及価格帯の市場に投入してきたというカタチですね。4x4にすることで受信感度はどれくらい効果があるのでしょうか。
田中:従来モデル比で、フルセグの受信可能エリアで約1.8倍、高速走行中の受信性能については約2倍に向上しました。当社のデジタルハイビジョンテレビ『ビエラ』に搭載される高画質回路「PEAKSプロセッサー」も、今回のミドルクラス全モデルに採用しています。
----:HX900Dは昨年のFクラスとほぼ同等の機能とスペックです。
田中:HX900D独自の機能として、ビジュアル面では映像ソースから最適なコントラストを最適化する「液晶AI」や外光の強さに応じて液晶の輝度を変化させる「ダイナミックコントラスト制御」などを採用しています。オーディオ機能面では、5.1ch再生などの拡張性やHDD内に保存されている楽曲から10曲をピックアップしDJのMCとともに再生する「Music Stylist」などを盛り込んでいます。