【ホンダ アコード 新型】従来のイメージとのギャップ

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ホンダの主力ミドルクラスモデル『アコード』『アコードツアラー』(12月4日発売)。販売目標は、セダン、ワゴンの2ボディ合計で1000台/月。発売当初から、目標として低すぎるのではないかという指摘が各方面からなされている。

「2ボディ合わせて月販1000台という目標は低すぎるのではないかという声は、確かに多数頂戴しています。国内販売の担当としては、強気に行きたいという気持ちはもちろろんありました。しかし、日本のセダン市場でホンダが存在感を示すのは、とても難しい。突拍子もない目標を立てるのではなく、まずは月あたり4ケタの台数を確実に売り続けることにチャレンジしなければならないと考えたのです」

アコードの国内販売を担当する四輪営業統括部主任の吉田秀彦氏は、販売についてこのように語る。

「セダン市場のユーザーはとても保守的なのが特徴で、そのユーザーの大半は、トヨタ、日産に絶大な信頼を置いています。ホンダのセダンがその需要を奪うのは、想像以上に困難です。政権交代くらい難しいかもしれません」(吉田氏)

その困難な状況のなかで、アコードをどのように売っていくのか。アコードの認知度は、実は日本においても悪くない。自動車ユーザーであれば、ほとんどの人はメーカー、ブランドを一致して想起できるというレベルである。

「確かにアコードの認知度は結構高い。しかし、アコードがどういう車であるかということになると、ほとんどの人は1.8リットルが主力で、リーズナブルな価格の大衆車をイメージするんです」(吉田氏)

日本でのアコードは、旧型モデルから欧州アコード、北米のアキュラ『TSX』と同一のモデルとなった。狙いはDセグメント(全長おおむね4.7m級)のなかでも高性能・高品質を売りにする「プレミアムD」などと呼ばれているクラス。車体やパワートレインの設計は超高速走行対応で、価格も高い。

旧型モデルはアコード史上、最低の販売に終わってしまったが、その最大の原因はユーザーの持つアコードの大衆車的イメージと、実際のクラスのギャップの大きさであるとホンダは分析したのだという。

「新型は価格レンジがさらに上がり、中心価格帯は300万円以上。従来のアコードのイメージとのギャップはさらに拡大しました。ここで我々が販売促進と並行してぜひやらなければならないのは、アコードのイメージを上級クラスへとシフトさせることです。これは簡単なことではありませんが、それをやらなければアコードクラスの市場でシェアを取ることはできません。イメージの上級移行に奇策はありません。出来ることのすべてを、じっくりと粘り強くやっていくつもりです」(吉田氏)

新型アコードは発売から1か月で、販売目標の2倍の2000台を受注。経済危機で高価格帯のクルマの販売が落ちるなか、健闘を見せた格好だ。が、絶対的な台数は少ないながらもコンスタントに売り続け、アコードの新しいブランドバリューを作っていけるかは、これからの課題である。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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