「ナビタイム ドライブサポーター」は単なるカーナビではない。同サービスはケータイ向けのトータルナビゲーションサービス「NAVITIME (ナビタイム)」を構成するクルマ向けのサービスであり、ユーザーの“移動”をあらゆるシーンでサポートするもの、というコンセプトだ。
◆「出発地」から「目的地」までをトータルでサポート
NAVITIMEの使い方は、その機能の豊富さからは考えられないほど簡単だ。もっとも単純に使うならば、トップメニュー最上段の検索ボックスに“いきたい場所”の情報をフリーワードで入力する。これだけだ。目的地の名称、駅名、住所や電話番号などを自動的に判別し、データベースを検索。目的地が見つかれば、GPSで測位した現在地から、もしくは任意に設定した出発地からのルートを検索する。
ここでNAVITIMEが特徴的なのが、ルートの検索がクルマだけでなく、電車・バスなど公共交通を使った場合も含めて行われること。複数の交通から移動手段を見比べられるところが、“トータルナビ”たるゆえんだ。ここでクルマを利用するルートを選べば、自動的にナビタイムドライブサポーターに遷移し、“助手席ナビ”としてカーナビゲーションを開始する。
実際に使ってみると、これら一連の操作はとてもスムーズで使いやすい。特に筆者が感心させられたのが、目的地の「検索のしやすさ」と「検索精度の高さ」だ。
NAVITIMEの目的地検索は、対象候補のデータベースが豊富なだけでなく、とてもよく整理されていて使いやすい。例えば、一部のカーナビでは「施設名」や「駅名」で検索すると、その建物ずばりではなく施設や駅内の名称を含むテナント店舗の方が候補順位の上位に来てしまうことがあるが、NAVITIMEではきちんと「施設名を最上位に、テナントはその下位に」表示する。またデータベースそのものも充実しており、大きな商業施設やオフィスビルならば、名称検索でほとんど見つけられる。
さらに店舗情報の検索では、公衆無線LANアクセスの有無や、iDやQUICPay、Suicaなど電子マネーが利用可能な店舗かまでわかる。「目的地を探す」という部分に関していえば、他のケータイナビはもちろん、据え付け型のカーナビすべてと比べても、随一の検索能力を持つだろう。
◆リアルタイム情報が充実、万人向きのナビ機能
カーナビゲーションの部分に目を向けると、「オンデマンドVICS」や「駐車場満車・空車情報」など、ケータイナビが得意とする機能はまんべんなく網羅。さらにドライバーにうれしいコンテンツとして、安くて人気のあるガソリンスタンドを探す「ガソリンスタンド検索」なども用意されている。基本的な検索能力の高さに加えて、クルマ向けのリアルタイム情報が充実している点は見逃せないだろう。
一方、ナビゲーションそのものの部分で見ると、地図の見やすさや案内のわかりやすさは及第点。他社のケータイナビと見比べると、地図の見栄えはややシンプルであるが、実用上の支障はない。地図表示モードでの交差点案内は直近の一ヶ所のみであるが、アナウンス自体が早いタイミングで行われるので、パッセンジャーも余裕を持ってドライバーに右左折ポイントを知らせることができる。
ルート案内時の精度は、携帯電話の機種による個体差はあると思うが、やや細街路に弱い傾向がある。一方通行や一車線道路ばかりの繁華街や住宅街では、走行中の道路を見失い、近くの幹線道路に“自車位置がひっぱられる”場面に何度か遭遇した。とはいえ、そういった細街路に入り込まなければ、ルートの追随性や案内タイミングの適切さは十分なレベルにあり、実用性には問題ない。地図表示や案内にクセがなく、万人向けの作りになっている。
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