富士重、森社長「トヨタグループに一歩踏み込む」

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トヨタ自動車およびダイハツ工業との提携強化で合意した富士重工業(スバル)の森郁夫社長は10日の記者会見で、「トヨタグループに一歩踏み込み、新しい関係を築いていく」と述べた。国内市場の縮小や膨大な環境技術投資などを考慮すると単独での生き残りは厳しく、トヨタグループの一員として活路を見出すという決意でもある。

森社長は会見で、水平対向エンジンに象徴される自社の中核商品分野へ「経営資源の選択と集中を加速させる」と、繰り返し強調した。かつての主力商品だった軽自動車はダイハツからのOEMに順次切り替え、コンパクトサイズの小型車についてもトヨタグループからの調達で品揃えを強化する。

一方で、トヨタと進めているFRの小型スポーツカーに自社技術を集中投入して、強みを伸ばしていくという戦略だ。ただ、出資増が実現してもトヨタの出資比率は16.5%。持分法適用会社ともならず、資本面では中途半端な関係にとどまる。

今回の「一歩」からさらに踏み込むにはトヨタグループとの協業で実績をあげると同時に、「スバル」ブランドをより強化する自前の商品力強化も課題となる。

《池原照雄》

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