2 | R8レーシングカーが主役 |
日本の多くのカーメーカーが参戦していた頃のルマン24時間耐久レースは、日本でもポピュラーであったが、1991年にマツダ のプロトタイプレーシングカー、「787B」の優勝以降、すっかり話題に上らなくなった。
しかし、ルマンはモナコグランプリやインディ500と並び、「世界3大レース」のひとつと言われる由緒あるレースだ。アウディは、1998年からこのレース参戦の準備に入り、2000年には「R8」レーシングカーで1-2-3フィニッシュをはたすなど、無敵の強さを誇っている。2004年にはチーム郷が優勝し、ルマンが再び日本でも注目されるようになった。
このような成果を背景に、「FSIガソリン直噴高回転型V8エンジン」を始めとして、R8レーシングカーの技術の遺伝子を持って生まれたのが新型R8だ。また、デザインについても、R8レーシングカーのデザインチームが新型R8のデザインを担当したと言われるように、R8レーシングカーが主役のドラマ展開となっている。
周到なプロセスを経て誕生した新型R8だが、先発のプレミアムスポーツカーの歴史から見れば即席仕立てに等しく、アドバンテージを得るにはスーパーカー的ルックスにも期待がかかる。『TT』の奇跡的成功の再現成るか? 目が離せない。