サーキットでは絶対に負けない、とマツダの関係者が宣言するように、最近のスポーツを意識したSUVの中では、ダントツの速さを誇る。ちょっと大げさにいえば、SUVを超越してワゴン感覚のテイストなのだ。
直噴直4ターボは、3.5リッターV6級のパワーに感じる。ターボラグは残るものの、トルクは低回転域から絞り出されるから不満はない。
そんなSUVに挑戦状を突き付けたかのような『CX-7』は、走りだけでなく居住性なども脱SUV的な志を感じる。ドライバーアイポイントは低く、着座姿勢も乗用車的である。足を前に投げ出すような、例のあれである。
何につけて、SUVのネガティブ要素を潰したことで、ようやく真のSUVになったような気がする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★☆
木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。