いやはや、これほどまでに速さを追求されると、おもわず腰を抜かしそうになる。ベースはごく平凡な4ドアセダンだというのに、エンジンに鞭をくれて走り出せば、ほとんどレーシングカーの世界に引き込まれてしまうのだ。
225psエンジンは、例によって8600rpmまで一気に弾ける。シャシーも切れ味抜群。弱アンダーステアのまま、ともかく先を急ぎたがるのだ。乗り心地も激しい。
もっとも、特筆すべきは、ただのじゃじゃ馬ではないことだ。リアのスタビリティが驚くほど高く、これまでのタイプRのようにテールをスライドさせてアンダーを消すような癖はない。タイヤが正確に路面をとらえているのだ。
ちなみに鈴鹿サーキットのラップタイムは、『NSXタイプR』と約3秒しか違いがないという!
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。