28日、バンコクモーターショーが開幕した。東南アジアで開催するモーターショーというと、いかにもお金のかかってなさそうなブースやセンスのかけらもなく車両を並べている様子を想像するかもしれない。何を隠そう、レポーター自身もそう考えていた。
ところが、そんなイメージでバンコクモーターショーに行くと、現実とのギャップに驚くことになる。
会場となっているBITECは近代的な見本市会場だし、会場の規模こそ東京モーターショーの半分以下とはいえ、各メーカーのブースの作りは東京やデトロイト、ジュネーブなど主力モーターショーと変わらないクオリティなのだ。
残念なのは、「ワールドプレミア」と呼ばれる世界初披露のモデルがほとんど用意されないこと(ピックアップトラックなど、地味なワールドプレミアが発表されたことはある)。これは、タイの自動車マーケットが熟成していないこと、そしてタイを地元とする自動車メーカーがない現状では仕方がないかもしれない。
しかし、タイの自動車マーケット、特にピックアップトラックと高級車のマーケットは小さくない。BMWやメルセデスベンツが大きなブースを確保したくさんの車両を展示している光景を見ると、両ブランドがいかにタイのマーケットを重視しているかを推測することもできる。