【インプレ'06】木下隆之 三菱『ランサーエボリューションIX MR』 最速であり上質

試乗記 国産車
【インプレ'06】木下隆之 三菱『ランサーエボリューションIX MR』 最速であり上質
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またもや『ランエボ』は進化してしまったようだ。現行「CT9」型ではファイナルとなるエボなのだが、まだまだ攻めの手を緩めてはいない。

IX MRでは、アイバッハのスプリングを投入。ビルシュタインダンパーのリセットで、しなやかにロールしながら旋回するようになった。ノーズがゆったりと沈み込み、前傾姿勢を作りやすくなった。AYCの容量がさらにアップされたことも加え、とにもかくにもよく曲がるマシンへと進化したのである。

乗り心地が改善されているのも特徴のひとつ。突起を乗り越えたときなどの不快な突き上げが薄れ、フラットライドに迫った。

乗り心地のいいエボなんて……とお嘆きの声も聞こえそうだが、旋回性能を際立たせた結果、乗り心地が改善されてしまったのだから、文句はあるまい! 最新のエボは最速であり、そして上質にエボなのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。「ジェイズな奴ら」を上梓するなど、作家の肩書きも。

《木下隆之》

木下隆之

学生時代からモータースポーツをはじめ、出版社・編集部勤務を経て独立。クルマ好きの感動、思いを読者に伝えようとする。短編小説『ジェイズな奴ら』も上梓。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。「心躍るモデルに高得点を与えるつもり」。海外レース経験も豊富で、ライフワークとしているニュルブルクリンク24時間レースにおいては、日本人最高位(総合5位)と最多出場記録を更新中。

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