アメリカを始め世界的な人気車になっている『カムリ』だが、本国である日本での売れ行きだけ伸び悩んでしまっている。
試乗してみるとなるほどよいクルマだと感心しきり。乗り心地とハンドリングのバランスよく、ロングドライブしても疲れない。いい意味で「肩からチカラが抜けたステアリングの操作感」なのだ。
エンジンもトランスミッションも極めて普通。低い回転からトルクを出しているため、回転を上げなくてもじゅうぶん走れてしまう。燃費だって良好。これほど自然に使えるクルマは珍しいと思えるほど。生活の道具として考えればベストチョイスかと。
しかし日本市場だと「個性の薄さ=存在感の弱さ」になってしまう。つまりカムリを選ぶ必要性を感じないワケ。そんなことからバランスのよいクルマながら売れないという妙な図式になるのだった。
ちなみにクルマの完成度はトヨタ得意の80点主義。日本のユーザーが高価格車に期待する緻密さや質感など物足りない感じ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★☆☆☆☆
国沢光宏| 自動車評論家
学生時代から執筆活動を開始。現在、CARトップ、ベストカーなどに寄稿する一方、AM/FM局でのパーソナリティ、WRC解説も行う。クルマ選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深くが取材目標。