地上デジタル放送への対応は前述しているが、これ以外にもパナソニック『ストラーダHDS960』のAV対応能力は優れている。
“フルメディア対応”と謳っているが、その言葉は決して過大ではなく、HDS960はDVDビデオ、CD、MD、HDDへのリッピングにはもちろん対応。今回からは新たにSD-Audio、そして別売のケーブルと組み合わせることでiPod連携にも対応している。
だが、パナソニックとしての本命はiPod連携ではなく、SD-Audioに対応させたことだ。以前から「From Home to Car」を掲げ、SDカードをリンクさせてきたが、HDS960では一歩進んだ印象を受ける。パナソニックのSDステレオシステム「D-dock」を使い、SDカードにAAC形式(MPEG2-AAC)でリッピングした音楽データを、ストラーダではSDカードから直接再生できる。これは携帯音楽プレーヤー「D-snap」で使われている形式であり、1枚のSDカードでクルマから電車、家庭までシームレスに音楽の持ち運びができるというわけだ。
また、HDS960のHDDに音楽リッピングを行なう際のファイル形式もMPEG2-AACとなった。新DSPの採用によって最大7倍速でリッピングを行なえるようになり、録音中の追っかけ再生も可能としている。
従来モデルと同様に5.1chサラウンドプロセッサーを搭載するだけでなく、4スピーカーであっても擬似的なサラウンドを体感できる「SRS CS Auto」、2スピーカーでも立体音響と迫力ある重低音を味わえる「SRS WOW HD」を採用。システムアップをしない状態であっても、良好な音を楽しむことができる。