ボディパネルと一体化したワイドなオーバーフェンダーが迫力をかもし出すレジェンド・モデューロ・コンセプト。開発の狙いは「オーセンティック・パフォーマンスサルーン」。文字通り“本物感”を重視したフラッグシップモデルのコンプリートカーである。
「欧州のプレミアムブランドはすでにハイパフォーマンスモデルをフラッグシップに戴いています」と、ホンダアクセスの菊地幸造デザインブロックマネージャーは語る。
「BMW『5シリーズ』には507PSの「M5」、メルセデスベンツ『Eクラス』には「E55AMG」と。レジェンド・モデューロ・コンセプトは、そういったハイパフォーマンスモデルにわれわれも挑戦していくという意思表示でもあるのです」。
オーバーフェンダーは、量産型のボディパネルを板金加工で成形したうえでFRP部材を接着、その上から塗装を施して継ぎ目をまったく消している。リアトランクスポイラーも同様の手法で装着。フロントエアロバンパー、サイドスカート、リアバンパーはすべてオリジナルデザイン。
精悍なグレーのボディカラーを生かすため、ヘッドランプ、リアコンビランプとも無着色のクリアタイプとした。
足回りは試作21インチアルミホイール、ブレンボ製の大容量キャリパーと大径ブレーキローターなどで武装。エンジンはチューンドECUによって低中速トルクが増強され、台形フィニッシャー付きのオールチタンマフラーによりサウンドチューニングも受けている。今後はエンジン本体に手を入れた高出力モデルも模索していくという。
インテリアは一転、高級感あふれるサンドブラウンの本革内装。
このレジェンド・モデューロ・コンセプト。現時点では市販の予定はまったくないが、同様の加工をアフターマーケットで行った場合、ボディの加工だけでも100万円をオーバーするという。
「海外のハイパフォーマンスモデルは、ベース車に対して300万円以上高いにもかかわらず、それだけの価値があるとユーザーは思っています。そういうクルマを作るにはどうしたらいいか、じっくりアイデアを練っていきたい」(菊地氏)。
将来、和製Mシリーズ、和製AMGとしてレジェンドのハイパフォーマンスモデルが日の目を見るかどうか、要注目だ。
東京オートサロン(14−16日、千葉県千葉市、幕張メッセ)に出展。