スバルデザインは確かに変わった。チーフデザイナーのアンドレアス・ザパティナスが指揮をとった『B9スクランブラー』はコンセプトカー『B11S』の流れを引き継ぎ、新しい「スバルらしさ」を感じさせる。航空機メーカーのDNAを秘めた2シーターオープン。まさに陸上を飛ぶかのようなスタイルだ。
「SS-HEVの楽しさ。この特性を使って自然の中を気持ちよく走るというのがこのクルマのコンセプトです。そのためにはオープンカーでやってもいいでしょ、という感じでこのスタイルにしました」と語るのはデザインをまとめたデザイン戦略担当・佐藤健リードデザイナー。
「上下でカラーを分け、オン/オフのクロスオーバーを強調したスクランブラースタイル。AWDを主張する力強いホイールアーチのデザインや、エアインテークとウイングをモチーフにしたフェイスはトライの一環で、これからもエモーショナルなスバルらしさのイメージを追求していきます」
「スバルがこれから作り出すのは、血の通った面質です。動物には骨があって肉がある。そのコントラストで面表情を作り、より人に近いところを目指しています」と佐藤氏は語る。
インテリアでもウイングモチーフを採用。イグニッションオンでパネルやメーターが可動し、操縦管のようなステアリングが現れるという「儀式」にも航空機メーカーのDNAが表れる。またシンボルマークである「六連星」を360度どこからでも見えるように配置した。強烈なアイデンティティをカタチにしたスバル、飛躍の予感を感じずにはいられない。