モーターショーのトヨタブースには、8台のコンセプトカー(うち2台はレクサス・ブランド)が展示される。ブース全体を見渡すと、やはり「環境」に対して、巨大自動車メーカーとしてどう対応していくかというメッセージを発信しているというイメージが強い。
しかし、中には大型セダンや大型SUVなど、「富の象徴」としてのコンサバティブな自動車観に基づいたモデルも出展し、クルマ界の「理想(エコ)」と「現実(エゴ)」を反映しているかのようなラインナップでもある。
また、展示車両はトヨタが将来の自動車の方向性として考えたコンセプトを具体化したモデルと、発売間近と予想できるモデルにきっちりと分けられるのも興味深い。
燃料電池ハイブリッドカーの『ファインN』、ハイブリッドシステムをミッドシップに搭載したオープンスポーツカーの『CS&S』、ミニマムサイズの一人乗りコミューターの『PM』 の3台は、トヨタのエコロジー技術や自動車の未来像をアピールするためのショーモデルであり、技術開発はべつとして、市販車との直接のつながりはなさそうだ。
市販車に近いのは、それ以外の3台。『ハリアー』ベースのハイブリッドカー『SU-HV1』、背の高いコンパクトカーの『NLSV』、大型セダンの『クラウン・コンセプト』は、完成度の高さからみて、限りなく市販化が近いモデルといえそう。
モータースポーツ関係は、F1マシンと、インディマシンが展示される予定だ。
また、『レクサス』ブースを東京ショーに初出展してきたのもニュース。レクサスとは、トヨタがアメリカで展開している高級車ブランド。アメリカではトヨタとは全く別のブランドとして認知され、メルセデスベンツやBMWを凌ぐほどの大人気を博しているブランドである。
アメリカでの大成功を受け、日本でも2005年8月からスタートする事が決定しているので、本格的始動を前に、日本でもブランドイメージの構築が始まったと見ていいだろう。
レクサスブースには、V8エンジン+モーターによるハイブリッド大型セダンの『LF-S』と、4.3リットルエンジンを搭載する大型SUV『LF-X』の2台が展示される。