2000年CARTシリーズ第10戦は、カナダ・トロント郊外に特設されたストリートコースで行われ、約7万3000人の大観衆が集まった。
レースはスタート直後からトラブルが続出するという、波乱の幕開けとなった。1周目でトップを走っていたエリオ・カストロネベス(ホンダ)がオーバーラン、それを避けようとした後続のフアン・モントーヤ(トヨタ)とダリオ・フランキッティ(ホンダ)が接触。2台は絡み合ったままコース上に停止したため、レースは1周目からフルコースコーションとなる。優勝候補の一角を占めていたモントーヤはこのトラブルでリタイアを余儀なくされてしまう。
レースは4周目に再開され、クリスティアーノ・ダマッタ(トヨタ)、カストロネベス、マイケル・アンドレッティ(フォード)がトップグループを形成し、熾烈なバトルを繰り広げる。レースが動いたのは44周目だった。3位のカストロネベスのマシンにトラブルが発生、急きょピットインするものの、修復ができずにリタイア。4位のポール・トレイシー(ホンダ)がポイントを上げ、3位に食いこむ。トレイシーは一時は2位を奪う好調ぶりを見せたが、それよりも好調なアンドレッティには勝てずに終わった。
中野信治は予選21番手からスタートし、着実に順位を上げて46周目にはポイント圏内の12位に達したが、55周目に電気系のトラブルが発生してスローダウン。14位という不本意な結果に終わった。レース後、中野は「レース中のマシンはとてもいい状態だったけど、途中からミスファイアが起きてパワーが上がらず、リタイアするしかなかった」と語り、残念そうな表情を見せた。
決勝リザルト
1:マイケル・アンドレッティ(フォード)
2:アドリアン・フェメンデス(フォード)
3:ポール・トレイシー(ホンダ)
4:クリスティアーノ・ダマッタ(トヨタ)
5:アレックス・タジリアーニ(フォード)
6:ジル・ドフェラン(ホンダ)
ドライバーズポイント・ランキング
1:ロベルト・モレノ 90
2:マイケル・アンドレッティ 88
3:ジル・ド・フェラン 75
4:ポール・トレイシー 73
5:ケニー・ブラック 66
6:ジミー・バッサー 63
マニュファクチャラーズポイント・ランキング
1:フォード・コスワース 178
2:ホンダ 153
3:トヨタ 145
4:メルセデス・ベンツ 44