ドイツ勢でBMWが欠席したことがトリノではひとつのニュースだった。ローバーの売却が決定して財政は楽になったはずだが、逆にはでなPR活動を自粛しているのだろう。
フォルクスワーゲン(VW)グループでは、本家VWの展示は、中央にデトロイト・モーターショーで発表したピックアップ・スタディの『AAC』を展示した。このような反環境的なクルマは欧州ではあまり高く評価されないはずだが、VWがSUVへ進出するという意思表示ともとれる。事実、アウディ・スタンドのメインは『オールロードクワトロ』だった。
そのアウディ傘下のランボルギーニが出てこなかったのは既報のとおり。次期『ディアブロ』のデザイン案はミラノのカロッツェリア、ザガートに依頼されていたが、アウディ新政権はどうやらボツにしたようだ。そんなことから遠慮が働いたのだろうか。
VWグループのセアトは、ジュネーブ・モーターショーで『サルサ』という魅力的なショーカーを発表したのだがトリノには持ってこなかった。元アルファロメオのデザイン部長デシルバを引き抜いたので、ここでも遠慮したのだろうか。VWグループ内でのセアトの位置付けは「ラテンのスペシャリティ」つまりアルファと真っ向からぶつかるのだ。
さらに、かつてセアトはフィアットと提携していたことを考えると、セアトがトリノではでに動き回ると、フィアットは面白くないに違いない。なおVWグループで「機能的でポップな」クルマを作って、フィアットの直接のライバルとなるのはシュコダだ。シュコダはフィアットにたいして何のわだかまりもないので、正々堂々とトリノにスタンドを構えていた。