プレミアムコンパクトというジャンル、歴史や文化に長けたヨーロッパ車にしかできない芸風だとあきらめていたけれど、ジュークを見たら「これって日本流プレミアムコンパクトでは?」と思えてきた。
タイから「輸入」された新型の日産『マーチ』。生産拠点が日本からタイに移ったこと以上に大きな変化があることを、ボクはそのデザインに感じる。
これほど注目度の高い国産コンパクトもそうない。横浜市街、アクアライン、海ほたるPA、千葉房総半島のどこを走り、どこで止まっても視線がイタい。
日産『ジューク』の販売が好調だ。某ライバル社のエンジニアから「どうしてですかね?」と問われて、ボクが答えたのは「それだけ世の中に欲求不満がたまっているということ」。エコだ、実用だ、と建前ばかりがまかり通る風潮に、ジュークのデザインが風穴をあけた。
日本市場へのお目見えは「2011年中」(VGJ)という新型『シャラン』にミュンヘン近郊で試乗した。全長×全幅×全高=4854×1900×1720mmのボディサイズは国産Lクラス並だが、スクエアで威圧感のないスタイルのため、大きさへの抵抗感は皆無。
いわば『C3』の3ドアハッチバック版だが、とびきりの個性をアピールするシリー ズ名として“DS”の名が与えられたのだそう。
『C3』のようなクルマに乗ったとき、改めてクルマは家電製品と同じようにはならないと思うのだ。それは、クルマというものは使い勝手の良さやエコ嗜好だけで選別するものではないということ。
足はかなり締まっている。ステアリングを切った瞬間から応答するレスポンスの良さはここ最近のVWの傾向だ。『ゴルフIII』ぐらいのサイズになったそうだが、日本の道路事情を含めて近距離が多い一般家庭にはうってつけの一台だ。
ただの実用車ながら、決して退屈なクルマにしないところがシトロエンの魅力。新型『C3』ももちろんそうで「ゼニスフロントウインド」と呼ぶ見上げ角108度の広大なガラスは、やはり楽しげ。
せっかちな性格がある日突然、おおらかで懐深い性格になった…そんな印象が持てるのが新型『プレマシー』だ。