『5シリーズ』にツーリングが追加されるのに合わせて、直列6気筒2.5リットルエンジンを搭載した「523i」が設定された。
排気量が2.5リットルなのに523iというのは少し分かりにくい。動力性能だって150kW/250Nmと十分に2.5リットルエンジン並みの実力なのだから、525iで良いのにと思う。
ただ、ワゴンボディのツーリングはセダンに比べると100kg以上も重いので、BMWらしい元気の良い走りを楽しみたいなら3.0リットルエンジンを搭載した「528i」のほうがお勧め。セダンなら523iで良いと思う。
すっきりした感じのデザインはひと世代前の5シリーズがかなりクセのあるデザインだったことを考えると個人的には相当に良くなった印象だ。BMWに共通するドライバーオリエンテッドのインパネデザインはそろそろ何かひと工夫して欲しい感じになってきた。インテリアの質感などはプレミアムブランドらしいものだ。
8速ATとの組み合わせによる走りは滑らかそのもので、タウンユースなどでは何速のギアを使って走っているのか分からないほど。
乗り心地はやや硬めの印象。18インチの45ランフラットタイヤを履いていることなどもひとつの理由だろうが、しっかりした感じの乗り味を感じさせる。ステアリングはアクティブステアが標準だが、旧型時代の違和感はなくなって自然な操舵感になった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。