音楽好きなドライバーなら、愛車の音響システムのアップグレードにも興味を持っているはずだ。当連載はそんな方々に向けて、その思いを実行に移そうとするときに役立つ“製品選択術”を解説しようと試みている。まずは「スピーカー」にスポットを当てている。
◆「セパレート型」か「一体型」かを検討したら、続いては…
さて、前回の記事ではカー用のスピーカーには「セパレート型」と「一体型」があることを説明した。つまり前者は、高音を再生する「ツイーター」と中低音を再生する「ミッドウーファー」が別体化しているもので、後者はそれらが一体化しているものだ。
というわけでスピーカー選びをするときにはまず、そのどちらにするかを考える必要がある。なお、コストを抑えたいと思ったときには後者が有利で、さまざまな製品の中からマイベストを選りすぐりたいときには前者がアドバンテージを発揮する。
その後、そのどちらが良いかを考えたら、製品の絞り込みに進みたいわけだが、その際に1点、チェックしたいポイントがある。それは「取り付け」性だ。製品により、そこが変化する。そして取り付け性が低くなると工賃がかさむ恐れがある。取り付ける際に大きな加工が必要となることがあるからだ。
「カスタムフィット」スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-F1650)。◆「カスタムフィット」や「トレードイン」と銘打たれていれば、取り付け性が高い!
なお、市販のカー用のスピーカーの中には、取り付け性の高さをウリとするものがある。特に手頃な価格帯のモデルの中には「カスタムフィット」や「トレードイン」と銘打たれたものがあり、それらは比較的に簡単に取り付けられる。
ただし、何をもって取り付け性が高いのかは、製品ごとにさまざまだ。取り付け用のパーツを豊富に付属しているものもあれば、汎用性が高いことをもってそううたっているものもある。
ちなみに付属パーツとは、ドアスピーカーを取り付ける際に必要となる土台やケーブル類である。普通はそれらを別途用意することになるが、取り付け性の高さを特徴とするモデルではそれらも同梱されている。
とはいえ、同梱パーツが多いということは、その分スピーカー本体にかけられるコストは少なくなるので、スピーカー自体の性能はそれなりになる。そこのところは頭に入れておくべきだろう。
「カスタムフィット」スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-V174S)。
◆「取り付け奥行き寸法」が短いと、すんなりと付けられる車種が増える!
一方、同梱パーツはそれほど充実していなくても、カスタムフィットやトレードインとうたわれている製品もある。それらは何をもって取り付け性が高いと言っているのかというと、答えはズバリ「サイズ」だ。
特に、ドアスピーカーの「取り付け奥行き寸法」が長くないと、比較的にすんなりと取り付けられる。ちなみに、数値でいうと60mmが1つの目安となる。それよりも短いとドアパネルの中に収まる車種が多くなる。逆にいうと、カスタムフィットなどと銘打たれていなくても、取り付け奥行き寸法が短ければ取り付け性が高いと判断できる。
そして、ツイーターのマウントが付属していると、ツイーターの取り付け性が高くなる。これをダッシュボードの上にポンと置くように取り付けられるからだ。
今回は以上だ。次回もスピーカー選びのポイントを解説していく。乞うご期待。





