コストがかかりにくく、音の良い「ツイーター」の取り付け場所はどこ?[イン・カー・リスニング学…スピーカー編]

「純正ツイーター」がダッシュボードに埋め込まれている車種の一例。
  • 「純正ツイーター」がダッシュボードに埋め込まれている車種の一例。
  • 「ツイーター」をダッシュボードの上にマウントにて取り付けた例(ダイヤトーン・DS-G400)。
  • 「ツイーター」をダッシュボードの上に取り付けられるマウントを付属した市販スピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-G400)。

車内は格好のリスニングルームともなる。特に、大きな音で聴けるという点で自宅を上回るようだ。当連載では、そのリスニングルームとしてのコンディションを高めるための理論やノウハウを紹介している。現在は「スピーカー」に関連する事柄に目を向けている。

【画像全3枚】

◆「ツイーター」は「ドアスピーカー」と比べて取り付けが簡単!?

今回からは、「ツイーター」の取り付けに関することに焦点を当てる。

ところで、「ドアスピーカー」の取り付け作業では、音を良くしようと思ったときに、やるべき工程がいくつか出てくる。なぜなら、カー用のスピーカーは売られている状態ではまだ半完成品だからだ。クルマのドアが「スピーカーボックス」の役目を負うので、そのドアのスピーカーボックスとしての完成度を上げる必要があるのだ。

対してツイーターは基本的に、ボックスを作る必要がない。なぜならツイーターは小さく、普通はケースに組み付けられている。そのケースごと取り付ければ作業を完了できるのだ。そのため、取り付け作業の難度は、ドアスピーカーと比べて低めだ。

◆ツイーターは、取り付ける場所により得られる結果が変化する!

とはいえ、ツイーターは、「どこにどう付けるか」をよく考える必要がある。その点で決して簡単ではない。装着位置によって得られる結果の変わり幅が大きく、ただ付ければ良いというものでは決してないのだ。

では、取り付け場所の候補ごとでどのような違いが生まれるのかを説明していこう。なお、得られる結果は音的なことと取り付け性に関することであり、両面に及ぶ。

さて、1つ目の候補となるのは「純正位置」だ。なお、車種ごとで純正位置は異なるが、国産車ではダッシュボードの左右の端にある車種が多い。そこに上を向けて埋め込まれている場合が多い。純正位置にツイーターを装着できれば、インテリアの見た目を変えなくて済む。

ただし……。純正位置には収まらない製品は意外に多い。取り付け性の高さをウリにするモデルや車種専用品なら収められる可能性は高まるが、そうではないとスペースに収まり切らない場合が多い。または大きさ的にはなんとかなっても、純正ステーが使えないことも少なくない。そうであるとステーをワンオフしなくてはならず、コストがかさむ。

◆次なる候補は「ダッシュの上」。実はここは取り付け性でも音質面でも利点が多い!

このように、純正位置にすんなりと収められない場合には、その他の場所を候補としたい。で、次なる候補として浮上するのは、「ダッシュボードの上」だ。実をいうと、ダッシュボードの上は取り付け性の面でも音的な面でもアドバンテージを発揮する。

まず取り付け性では、そこに付けるためのマウントが付属されている必要があるが、そうであればそれを両面テープで貼り付ければ取り付け作業を完了できる。配線作業には少々手間がかかるが、どこかを加工する必要はないので要するコストは限定的だ。

そして音的には、リスナーがツイーターと正対できるので、より多くの情報量を得やすくなる。というのも、音は音程が高くなるほどまっすぐに進もうとする性質が強くなる。なので正対できないと、聴ける“直接音”の量が少なくならざるを得ず、結果、得られる情報量も減りがちだ。また、状況も複雑化してしまう。“反射音”の比率が高くなってしまうがゆえだ。

今回は以上だ。次回はこれら以外のツイーターの取り付け場所について説明していく。乞うご期待。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集