ヤマハモーターヨーロッパは7月11日、伝説のライダーで三度の500cc世界王者に輝いたウェイン・レイニーに、特別にカスタマイズされた『XSR900 GP』を贈呈した。ヤマハの最新技術「Y-AMT」を装備した特別な車両で、34年ぶりにラグナセカを走った。
この贈呈は、1993年の事故でレースキャリアを終えて以来、レイニーが3度目にヤマハのマシンに乗る機会となった。
XSR900 GPのヨーロッパデビューの際にはレイニーがフィーチャーされたローンチビデオの後、彼は最初に生産されたモデルの1台を受け取る予定だった。XSR900 GPは、かつて彼がレースで乗ったマシンをオマージュして設計されたモデルだからだ。

しかしレイニーがこのモデルに乗るためには課題があった。彼の二輪車への復帰を支援するという心のこもった目標で製作されたこのカスタムトリビュートは、ヤマハと元グランプリライダーで現在のモトアメリカ会長との深く歴史的な絆を祝うために組み立てられた。
その手段として選ばれたのが、ヤマハの革新的な新技術「Y-AMT」だ。Y-AMTはクラッチレバーやシフトペダルの操作を必要とせずに自動変速を可能とする技術で、ハンドルのボタンのみでマニュアルシフトをおこなうことも可能。これを、特別製作のXSR900 GPに搭載した。さらに、レイニーの安定した着座位置をサポートするためのいくつかの適応も追加されている。

外観上では、レイニーのチャンピオンシップ優勝マシンにより近づけるため、黒いデルタボックススタイルのフレームに置き換わり、ホイールもブラックとした。
このモデルは7月11日から13日にかけておこなわれたモトアメリカ選手権第5戦の開催地となったラグナセカ・レースウェイで、サーキット主催の名誉イベント中にレイニーに正式に贈呈。レイニーによるXSR900 GPを先導にパレードランがおこなわれ、ヤマハの歴史に新たな1ページを刻んだ。レイニーがラグナセカを走ったのは1991年のUSグランプリ以来となった。