ペット関連グッズやサービスの展示会、「第14回 インターペット ~人とペットの豊かな暮らしフェア~」(インターペット2025)が4月3日から6日の4日間にわたり東京ビッグサイトで開催。国内外から950を超える企業が参加する中、異業種からの初出展も増えている。アマゾンやバンダイナムコテクニカ、壁紙や床材を扱うサンゲツなどが今回初めてブースを構えた。“ペットの家族化”が進行する中、幅広い業界がこの分野に注目していることがうかがえる。

自動車関連ではホンダアクセスが以前からペットイベントに積極的に参加しており、インターペットにもこれまで10回以上出展している。
飼い主の利便性と犬の安全性を両立
ホンダ車用純正アクセサリーの開発・販売を行うホンダアクセスは、「わんこと一緒に楽しいおでかけを」をキーワードに「Honda Dog」ブランドで愛犬用アクセサリーの企画・開発を行っている。ブース中央の『フリードe:HEV CROSSTAR(クロスター)』 (5人乗り)には、小型犬用のソフトケージ「ペットシートプラスわん2」や、後席全体を愛犬専用スペースにできる「ペットシートマット」などが装着された。

これらの製品には撥水加工が施されているとともに、脱着が可能で家庭で洗濯できる。また、「ペット車外飛び出し防止リード」と併せて使用できるように設計されている。助手席に装着されることの多いソフトケージは、エアバッグ展開時の干渉を避けるよう安全面でも配慮したという。

愛犬家ならではの優しい視点
Honda Dog製品は快適性にも配慮されており、ケージの中や後席から愛犬が飼い主の姿を見ることができるようメッシュの窓が設けられている。マット類には座り心地の良い低反発ウレタン素材を使用。「犬目線で」製品開発を行っているというホンダアクセスの言葉に嘘はなさそうだ。

そのほか、車内をスマートに活用できる「ルーフラック」や「トランクサイドボックス」など、各種ディーラーオプションも装着。クロスターを通して、愛犬と一緒に楽しむカーライフスタイルの提案を行った。

N-VAN e: がディスコに
ペットイベントでは、愛犬の“映える”写真が撮れるフォトスポットが人気だ。ホンダアクセスは電気自動車(EV)の『N-VAN e:』をディスコ風ステージに仕立てた。

センターピラーレスによる開口部の広さが意外な用途にも役立ったようだ。照明や音楽プレーヤーを車載バッテリーにつなぐこともできるはずで、このフォトスポットは屋外イベントでも活躍しそうだ。
ビジネスにつなげるペットイベント
取り回しの良さと広い車内スペースを両立したフリードは、ホンダ車の中で愛犬家に最も支持されているモデルだという。インターペットでの展示は、昨年フルモデルチェンジした新型を「ペット愛好家のみなさんに、じっくり見ていただきたい」という狙いもあるそうだ。こうしたイベントでは愛犬もクルマに乗せることができるため、飼い主にとってありがたいだけでなく、ホンダにとっても販売につながるタッチポイントになるだろう。

ユーザーの声を直接聞くことができるのも、同社がイベントを積極的に活用している理由だという。「以前のように、ラゲッジルームだけが動物たちの居場所ではなくなりました。ワンちゃんも飼い主さんも、安心して快適に過ごせる車内空間をつくるお手伝いをホンダができたらいいなと思います」というのがHonda Dogの目指すところのようだ。

20周年を迎えたHonda Dog
愛犬家向けの情報サイトとして始まったHonda Dogは今年で20周年を迎えた。担当者は、「今年は20周年を“フック”に色々なペットイベントに参加して、Honda Dogをもっと多くの方々に知っていただきたい」と話す。

日本社会の少子高齢化に伴って国内のペット飼育頭数は減少している。一方で、犬や猫の長寿化や家族化によって、用品やサービスなどの関連市場は拡大傾向にある。冒頭に紹介した異業種からの新規参入を見ると、自動車関連企業にとっても注目の市場ではないだろうか。