日産『マーチ』に最初の“ボレロ”が設定されたのは、1997年10月、2代目マーチの時のことだった。
オーテックジャパン(当時)が手がけたモデルで、専用の“装い”を施すことでベースのマーチに対して外観、内装を差別化。所有する楽しみ、乗る楽しみをよりグレードアップしたモデルとなっていた。

方向性としてはクラシック調で、外観ではメッキのフロントグリル、バンパー部のオーバーライダー肩口のモール、ホイールキャップなどが特徴。
とくにフロントのデザインについて筆者が最初に連想したのは1950年代のランチアだったが、細かな桟を左右対称に斜めに配したメッキのグリルなど、なかなかの趣を醸し出していた。

インテリアでは木目/本革巻きコンビのステアリング、木目調パネルほか、ボレロ専用のトリコットのシート地などを採用。ベージュの盤面のメーターなどがレトロ調だった。
その後もボレロは3代目マーチ(2004年12月)、4代目マーチ(2010年7月)でも設定。3代目時代の2代目ボレロは、10ページほどだが専用カタログが手元にあるが、雰囲気重視の写真があしらわれた構成で世界観を表現。チェック柄のベージュのシートや、ドアハンドル部の木目パーツなども紹介している。

一方で4代目時代の3代目ボレロでは斜め格子状のグリルパターンを採用したフロントマスクは、フードとの見切り線も歴代でもっとも無理のない自然な処理に。
ディーラーオプションでアルミホイールのスポーク部にあしらう、ボディカラー(とメッキ)のデカールなども用意。2016年には限定30台の“ボレロA30”も発売された。