外部パワーアンプに“ch数”違いがあるのはなぜ!?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
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カーオーディオは「分かりづらい」と思われがちだ。その要因はいくつかあるが、「専門用語」が使われる頻度が高いことも理由の1つとなっている。当連載ではそれら難解なワードの意味を解説し、ビギナーが感じる「?」の解消を目指している。

◆「ch」という単語には「径路、道筋、ルート」という意味がある。オーディオでは…

前回からは、「外部パワーアンプ」に関連するワードの解説を開始した。今回は、「ch」という用語にスポットを当てる。

まず「ch」とは「チャンネル」と読み、この単語そのもの意味は「径路、道筋、ルート」だ。で、オーディオでは「信号の流れる系統」のことを「ch」と呼んでいる。

なお「ステレオ音源」では、音楽信号のルートは2つある。1つが「右ch」でもう1つが「左ch」だ。つまり「ステレオ」では音楽を2系統に分けて録音し、それぞれを個別のスピーカーで再生する。そのようにする理由は以下のとおりだ。

人間には耳が左右に1つずつ付いているがゆえに、音の出どころが分かり演奏を聴く場合には音像を立体的に感じ取れる。「ステレオ」はその原理を逆手に取っている。右耳で聴こえる音を「右ch」に録音し左耳で聴こえる音を「左ch」に録音し、そしてそれぞれを左右の2本のスピーカーで再生する。そうすると、演奏現場にて左右の耳で音楽を聴いているかのような状況を作り出せる。結果、演奏を立体的に感じ取れるようになるというわけなのだ。

「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。

◆カー用の「外部パワーアンプ」は、「4chタイプ」がスタンダード!?

なので「ステレオ音源」を再生しようとするときには、「外部パワーアンプ」は「2chタイプ」であればこと足りる。メディアから読み取る音楽信号はあくまで「2系統」しかないので、信号の増幅回路も「2系統」あれば良い。

しかし、カー用の「外部パワーアンプ」のスタンダードは、「4chタイプ」だ。

その理由は2つある。1つは「スピーカーが前席用と後席用の計4つあるから」だ。まずはフロントスピーカーだけが交換されるケースが圧倒的に多いので、それを鳴らすには確かに「外部パワーアンプ」は「2chタイプ」であれば良いのだが、普通はリアにもスピーカーが付いているので一応それも鳴らせるようになっている。

理由の2つ目は、「使い勝手が良いから」だ。フロントスピーカーを鳴らすには「2ch」が確保されていれば良いが、もう「2ch」あればリアスピーカーも鳴らせるし、「サブウーファー」のドライブも可能となる。さらにはフロントスピーカーの「マルチドライブ」(当用語の解説は回を改めて行う)も実行できる。

ちなみにいうと「4chパワーアンプ」の残りの「2ch」は、「サブウーファー」を鳴らすのに使われることが多い。クルマのドアに取り付けられるスピーカーの大きさでは、重低音の再生が難しい。ゆえにカーオーディオでは「サブウーファー」が用いられることが多い。「4chモデル」を用意すれば、1台でそれも鳴らせる。

「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。

◆「2chタイプ」なら低コストで導入可能! またはより上質なモデルを手にできる!

かくしてカー用の「外部パワーアンプ」は「4chタイプ」がスタンダードとなってはいるが、その他のタイプもさまざまある。次に用いられることが多いのは、「2chタイプ」だ。

これを使えば、「フロントスピーカーだけを鳴らしたい」ときに予算の抑制が可能となる。または、予算の範囲内でより良い「外部パワーアンプ」を手にできる。

というのも「パワーアンプ」は、「ch数」が増えれば増えるほどそれに比例してコストが上がる。「1ch」ごとで回路を別にする必要があり、「ch数」が増えればそれに比例して必要パーツの数が増えていくからだ。

なので10万円の「4chパワーアンプ」では、「1ch」あたりにかかっているコストはざっくり2万5000円となり、10万円の「2chパワーアンプ」ではそれが5万円となる。で、2万5000円と5万円とでは倍も違うわけなので、性能差も相応に開く。なので10万円という予算にて「1ch」あたりの性能が高いモデルが欲しいと思ったら、「2chタイプ」がアドバンテージを発揮する。

または5万円の「2chモデル」を選べば、10万円の「4chモデル」の半分のコストで「1ch」あたりについては同等の性能のモデルを手にできる。

今回は以上だ。次回は、それ以外の「ch数」のモデルについてて説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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