ロールスロイス、皆既日食に着想の『ゴースト』発表…世界限定25台は発表前に完売

ロールスロイス・ブラック・バッジ・ゴースト・エクリプシス・プライベート・コレクション
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ロールスロイスモーターカーズは10月12日、『ブラック・バッジ・ゴースト・エクリプシス・プライベート・コレクション』(Rolls-Royce Black Badge Ghost Ekleipsis Private Collection)を発表した。世界限定25台を販売する予定だが、すでに完売している。


◆光を受けると色が変わる銅粉入りのボディカラー

同車は、4ドアサルーンの『ゴースト』をベースに、皆既日食からインスピレーションを受けて特別なカスタマイズを施したモデルだ。「リリカル・コッパー」のボディカラーには銅粉が含まれており、光を捉えるまではダークに見え、光を受けると虹色の光沢を放つという。

フロントの「パンテオングリル」とブレーキキャリパーのインサートは、日食が進むにつれて現れる太陽光のパルスを思わせるマンダリンで彩られた。手描きのコーチラインもマンダリンで描かれ、月が太陽を覆い隠すように近づくにつれて、太陽光から暗闇へと変化する様子を抽象的に表現している。

直噴6.75リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は571ps/5000rpm、最大トルクは86.7kgm/1600rpmを引き出す。トランスミッションは8速ATで、駆動方式は4WDだ。動力性能は0~100km/h加速が4.8秒、最高速は250km/h(リミッター作動)となる。

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◆ルーフライナーに壮大な天体ショーを再現

完全ビスポークの「スターライト・ヘッドライナー」が装備された。そのインスピレーションの源となった日食のように、乗車する人々を感動させる特別なアニメーションを採用した、と自負する。コーチドアが閉まり、エンジンが始動すると、スターライト・ヘッドライナーに輝く星のきらめきが暗くなり、月のダークなシルエットが太陽の明るい光を覆い隠す皆既日食を再現するシークエンスが始まる。

この時、940の星からなる輪が浮かび上がり、月のシルエットの周りに輝く光のコロナを表現した。これを囲むように、192個の星が光を放ち、皆既日食でしか見ることのできない日中の空に煌めく星々の幻想的な光景を再現しているという。

このアニメーションは、皆既日食の最長継続時間の7分31秒間続く。終了後は、再び夜空に星座が広がる。この高度な技術を実現するために、ビスポーク部門の職人は1年かけて開発を進め、星のデザインと配置を仕上げるために3つのプロトタイプを製作した。

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◆ダッシュボードにダイヤモンドをあしらった時計を組み込む

イルミネイテッド・フェイシアには、皆既日食のタイムラインを象徴する1846個の星が、レーザーエッチングによって表現された。ひとりのビスポーク部門のデザイナーが、それぞれの星の大きさと位置を調整するプロセスを一手に引き受け、100時間以上かけて、このエフェクトを創り上げた。

0.5カラットのブリリアント・カット・ダイヤモンドをあしらったビスポークの時計が装備される。それは、月が太陽を隠す直前と直後のわずかな瞬間に、月の輪郭上にまばゆい光を放つ一点を見ることができる「ダイヤモンド・リング」現象を想起させるという。

ベゼルの形状は、ロールスロイス史上初めて、この時計を埋め込むために変更された。ダイヤモンドがしっかりと固定されていることを確認するため、アセンブリーには、マイナス30度からプラス90度までの気候条件下でのセルサイクル試験を含む厳格な接着テストを実施した。時計を囲むダークアルミ部分にはエッチングを施し、その下に配された光沢メタルが浮かび上がる仕上げとした。14回以上のデザイン変更を経て完成している。

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◆シートの20万個以上の小さな穴が皆既日食を表現

皆既日食では、黄金色のトワイライトが見る者を囲むように広がり、360度どこを見ても夕焼けのような景色が広がる瞬間がある。この稀少な現象の美しさを、20万個以上の小さな穴で構成された独自のパーフォレーテッド・アートワークを施したバイカラーのシートで表現している。

マンダリンカラーのレザーをブラックに着色した後、パーフォレーション加工を施すことで、下からより鮮やかなコントラストカラーを浮き上がらせ、奥行きのある視覚効果を生み出した、と自負する。ビスポーク部門の職人は、コンピューターデザインツールを使用して独自のパターンを開発し、7回にわたる試作を重ねて手作業で改良を加えた。

また、ビスポークの仕上げとして、イルミネイテッド・トレッドプレート、コーチドアに収納されたマンダリンのパイピングが施されたアンブレラ、プライベート・コレクションのワードマークの入った専用の屋内用カーカバーが含まれている。

《森脇稔》

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