アルピーヌ『A110』、パイクスピーク2023参戦に向けて米国に出発

ダウンフォースを向上させるエアロパーツを追加

およそ500hp/7500rpmのパワーを発揮

大容量ターボチャージャーを特別開発

アルピーヌ A110 パイクスピーク
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アルピーヌ(Alpine)は5月17日、2ドアスポーツカーの『A110』がベースのレーシングカー「A110パイクスピーク」が、「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」参戦に向けて、米国に出発した、と発表した。6月25日の決勝レースに向けて、最終テストに取り組む。

◆ダウンフォースを向上させるエアロパーツを追加

A110パイクスピークは、アルピーヌとシグナテックが共同開発した。ヒルクライム用にチューニングされており、ダウンフォースを向上させるエアロパーツなどを追加している。

アルピーヌは、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにおいて、タイムアタック1カテゴリーにエントリーした。ドライバーには、ラファエル・アスティエ選手を起用する。同選手は、アルピーヌ 「A110 ラリー」で 2022年の「FIA R-GT カップ」を制しており、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにも4回出場。3度目の出走では、9分23秒721を計測し、タイムアタック 1クラスの記録を打ち立てている。

アルピーヌA110パイクスピークは、全長19.93kmのパイクスピークの険しいコースに対応するために設計された。パイクスピークに挑戦するために、エアロダイナミクスやエンジンを再設計した。ラファエル・リナリ氏が率いるアルピーヌ・デザイン・オフィスと、シグナテックの密接な協力により、A110がこれまでで最も過激なレーシングマシンに変身したという。

アルピーヌ A110 パイクスピークアルピーヌ A110 パイクスピーク

◆およそ500hp/7500rpmのパワーを発揮

パイクスピークの156のコーナーで、ダウンフォースを発生させる大型リアウィングが装備された。フロントのスプリッターとスポイラー先端のディフレクターも特長だ。アルピーヌA110の最強グレード「A110R」の開発の成果は、サイドスカートとディフューザーにも反映されているという。ルーフにはエンジンに空気を送り込むためのインレットが設けられ、およそ500hp/7500rpmのパワーを発揮する。また、車両重量は1トンを切る950kgに抑えられている。

アルピーヌのデザイナーは、タイムアタック1カテゴリーにエントリーするために、オリジナルのプロポーションを維持しながら、ビジュアルインパクトを追求した。リアウィンドウには、ルマンスタイルのシャークフィンを配置し、大型リアウィングを切り裂くようなダイナミックさを表現している。

ライト類もアグレッシブなデザインとした。フロントは2つのサークルに代えて、レーザーカットされた細い2本のバーを採用している。一方、テールライトはルマン24時間レースにちなんで、センターのフィンとリアウィングの左右が、縦3本に光って見えるように変更された。専用ホイールなどのディテールによって、ワイドさが強調されている。

アルピーヌ A110 パイクスピークアルピーヌ A110 パイクスピーク

◆大容量ターボチャージャーを特別開発

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでは、標高2865m地点でスタートし、4305m地点でゴールする。1440mの標高差がある全長19.93kmのコースで、ゴールまで同じパワーを維持するために、大容量ターボチャージャーには、ターボラグの解消や鋭いスロットルレスポンスのための特別な開発を行った。パートナーのエルフが、どんな高度でも最適なパフォーマンスを発揮できるよう、特別な燃料と潤滑油を開発した。

タイヤに関しては、ミシュランと共同開発した。フロント17インチ、リア18インチサイズのミシュラン「パイロットスポーツH S5C+」を履く。アルピーヌA110パイクスピークのポテンシャルを最大限に引き出すために、軽量化した上でフロントタイヤのサイズを狭くすることをミシュランと決定した、としている。

《森脇稔》

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