軽クロカン4WDのトップランナーとなっているスズキ『ジムニー』、さらにワイドフェンダーを備えた1.5Lモデルの『ジムニーシエラ』は共に4WD界の超ヒットモデルなのはみなさんもご存じの通り。そこで今回はその魅力をさらに引き出すことができるホイールを選んでリアルマッチングを実施した。
オフロード志向からドレスアップ、ワイルド系からスポーツテイストまで、適合するホイールはかなりの数にのぼる。ホイールのチョイス次第で、多種多様なスタイルにアレンジできるのもジムニーシエラの魅力。その理由はいまどきのクルマにはないスクエアなボディフォルムに象徴される、オーセンティックなスタイリングにある。今回ホイールマッチングを実施した9モデルの組合せをみれば、ホイール次第で自分流のアレンジが可能なのが一目瞭然だ。
◆レイズ【ボルクレーシング TE37X FORJ UL】

ジムニーシエラ(ジムニーも含む)は、オフロードスポーツを堪能できる高いポテンシャルを持ったクルマだ。それだけにホイールのパフォーマンスは走りに直結する。そこで組合せたいホイールが、レイズの最高峰ブランドに位置するボルクレーシング「TE37X ForJ UL」だ。ボルクレーシングの看板モデルである「TE37」、4WDモデルを意味する“X”のネーミングに加えて、“ForJ”と銘打たれたモデルはまさにジムニー専用設計。さらにULはウルトラライトを表すモデル名で、その軽さ故に制動時のスムーズさや切り返しの滑らかさが味わえる。鍛造モデルによる軽量・高剛性であるボルクレーシングの中でも、ジムニーのスポーツ性能を引き出すことを念頭に置いたホイールとしてトップランクに位置するモデルがこれだ。

あえてフラットに造形された6本スポークはシンプルを極め、ディスク面に対して6つのウインドウを備えたデザインにも見える。リムフランジには特許技術であるA.M.T.でブランドロゴを刻み込み、質感の高さを細部からにじみ出させているのもこだわり。パフォーマンス志向の本気ユーザーの心を掴むホイールとなった。
◆レイズ【チームデイトナ M9】

レイズが誇るオフロード系ブランド「チームデイトナ」の中でも、メッシュデザインを備えたスタイリッシュなモデルがチームデイトナ「M9」だ。特にM9はチームデイトナの中でも汎用性の高さが自慢のデザインであり、オフロードはもちろん街乗りにも似合うスタイルで幅広いユーザー層に受けているモデル。デザイン上のキーポイントは、ずばりディスクまわりの処理だ。メッシュデザインを施したディスク面と外周部分を別の造形として、“別体感”を演出しているのも独特なアレンジ。なおかつカラーリングでも奥行きを演出しているので、ホイールの立体感も十分に感じられるのが魅力。さらにリムフランジ部分には、オフロード系のモデルでは定番になっているビードロック風のデザインを注入した。

外周部には“TEAM DAYTONA”のロゴを配置して、アイキャッチとなる存在にまで押し上げている。このM9はオフロード系のタイヤとの相性も良く、ホワイトレターを組んでもマッチングが良い。今回のマッチングを見てもわかるが、タイヤの存在感に負けない主張するホイールとなっている。ジムニーシエラをオールマイティに乗りこなすにも、絶好のチョイスになるだろう。
◆レイズ【チームデイトナ F6ブースト for JIMNY/JIMNY SIERRA】

同じくチームデイトナの中でも、トップクラスの売れ筋モデルとなっているのがこの「F6ブースト」だ。その中で今回取り上げたのはチームデイトナ「F6ブースト for JIMNY/JIMNY SIERRA」。ネーミングの通りジムニー/ジムニーシエラに特化したモデル。今回マッチングを実施したジムニーシエラには16×6.0Jを、ジムニーには16×5.5Jを用意し、いずれも専用断面を備えた別デザインとしているのもこだわり。そもそもF6ブーストは、オフロードイメージを強く感じさせるのが魅力。リムフランジ部にはビードロックを模したミリング処理を施している。

さらにフランジ部に凹型デザインを込めて、変化を付けるのもこのモデルの特徴。また2×6のツインスポークデザインは、鋭角に曲がったスポーク形状を備え力強さを感じさせる。様々な角度にカット面を持つ多面構造も見どころ。加えて十分なリムを確保して立体感を表現するのも、このモデルならではの魅力といえるだろう。ジムニーシエラに実際にマッチングさせてみると、その奥行き感やゴツゴツデザインがピタリとマッチするのがわかる。
◆レイズ【A-LAP-J】

as light as possible(出来るだけ軽く)をコンセプトにしたレイズのブランドが「A-LAP」。狙い通りに、スポーツ走行するクルマの足もとには似つかわしいのだ。もちろんジムニーシエラをオフロードで本気で走らせるユーザーにも、その軽さは魅力。今回マッチングに選んだのは「A-LAP-J」で、その名の通りジムニー向けに開発された軽量・高剛性モデルなのだ。鍛造製法の同シリーズなのもあり、ジムニー用ホイールとしては最軽量を実現して高いパフォーマンスを発揮する本物志向のホイールだ。実際にトライアル競技などで競技車のジムニーが履いている率も高く、コンペ系のユーザーからの評価も高いモデル。

わずかな走りの性能差がポイントに直結するコンペだからこそ、ホイールにはこだわるのだ。デザイン的には直線的に伸びる10スポークを持つシンプルなスタイルが特徴。リムを確保して安定感のある足もとデザインとしているのも大きな魅力だろう。ジムニーシエラの足もとをデザイン的にもパフォーマンス的にも本物志向に仕上げた同ホイール、実際にマッチングさせるとその軽快感溢れるデザインが足もとにピタリと決まる。
◆レイズ【A-LAP-07X】

鍛造モデルのハイパフォーマンスを、ジムニーシエラで味わいたいというユーザーにフィットする「A-LAP-07X」。同モデルには今回マッチングさせた16インチモデルに先駆けて、ジムニー適合ホイールの鍛造モデルとしてはおそらく唯一となる18インチモデルもラインアップ。カスタム志向で大径ホイールを求めるユーザーには、唯一無二となるモデルとして注目される存在だ。そこに加わる形で追加モデルとして登場したのが今回マッチングさせた16インチモデル。より幅広いユーザー層に受け入れられる、鍛造ハイパフォーマンスモデルとなった。基本フォルムは7交点を持つメッシュデザインで、リムをしっかり確保したメリハリの利いたデザインが特徴。

マッチングさせたブラック/リムDCは、ダイヤモンドカットしたリムが美しく輝きディスク面との別体感を演出する。またツインスポークがリムを掴むツメのようなデザインは、ホイールが力強く大地をグリップする様子をイメージさせる。A-LAPブランドが採用する鍛造製法によって、軽さと強さを兼ね備えているのもアドバンテージ。ジムニーシエラの足もとを機能美で飾るには絶好のホイールチョイスとなる。
◆レイズ【グラムライツ 57CR-X2】

鋳造製法によるスポーツホイールのフラッグシップとして君臨するブランドが「グラムライツ」。中でも「57CR」は5本スポークを備えたスポーティなモデルで、そんなスポーツ路線のグラムライツに対して、派生モデルとしてラインアップされているのがグラムライツ「57CR-X2」だ。4WDモデルを意味する“X”を冠したモデルは、そのネーミングの通りオフロードテイストを取り入れたアレンジが施される。その代表的なデザインアイコンになるのが、リムフランジ部に施されたスピードブリックリムTYPE-2。段付きデザインの中に大径のエグリとスリット形状を込めた構造で、タイヤとの境目に印象的なデザインを込めるのが特徴的だ。

オフロードタイヤを組合せた際にも、トレッドのゴツゴツ感とのマッチングが程よいのがわかるだろう。スポーク形状はグラムライツらしいラウンドしたシンプルな形状。スポークエンドは湾曲してリムを掴む構造なのも足まわりの力強さを演出し、ジムニーシエラの走るオフロードのフィールドでも映えるスタイルとした。ターマックからグラベルまでを楽しむジムニーシエラユーザーを全方位で満足させてくれるホイールだ。
◆レイズ【ベルサス VV21SX】

ジムニー/ジムニーシエラに向けて、デザインアレンジを施して登場した1本がベルサス「VV21SX」だ。ドレスアップユーザーから高い評価を受けるベルサスのホイール群だが、あえてこのブランドからジムニー/ジムニーシエラ対応モデルをリリースしたのに注目。ビードロックなどを配したわかりやすいオフロードテイストではなく、スポークとスポーティさを全面に押し出してジムニー/ジムニーシエラの足もとを飾ることを念頭に開発されたのがこのホイールなのだ。今回ジムニーシエラにマッチングさせた6.0J/IN5のサイズは、より太いタイヤを履きこなすことができるのが魅力だろう(*235幅のタイヤがマッチング可能)。専用設定としたフェイスデザインによって、ホイール全体で奥行きと厚みを感じさせる。

しかし基本のデザインは繊細でシャープ。5本のY字形状スポークはスポークエンドをリムオーバーさせ、各部のエッジはキレッキレに尖ったデザイン。スポークサイド部に穴を空けて軽量化を図るリリーフポケットも、このモデルの見どころのひとつだ。ジムニーシエラを力強くドレスアップするために選びたいホイールだ。
◆MID【ナイトロパワー H12ショットガン】

新しいタイプの“ホール”デザインを込めたのがナイトロパワー「H12ショットガン」。大きくラウンドさせたディスク面に、12個のホールを穿った12ホールディッシュデザインを採用。このデザインは、MIDではミリタリー/ヘビーデュティをイメージしたものだという。ネオクラ路線のレンコンデザインとは一線を画する、新しいホールデザインに仕上げているのも見どころだ。ディスクの外周部には別体パーツで形成されているピアスボルトを装備。リアルなボルト感を演出することでホイールの質感を高めている。リムフランジ部分には凹形状デザイン処理を施すのも見どころだ。

大型ピアスボルトやホールデザインとも相まって、ワイルドなテイストを引き出すA/T/M/Tタイヤなど、ブロックの大きなオフロードタイヤと組合せたときのホイールの映え方を想定した作り込みとなった。ディスク中央部には、ブランドロゴなどを刻み込むのも独特。ここでも無骨でインパクトあるスタイリングを表現している。ジムニーシエラの足もとにマッチングさせると、想像以上のディスクのラウンド感も感じさせ、ディッシュデザインでありながら奥行きを感じさせるホイールなのがわかる。
◆MID【ガルシア パーム8】

ドレスアップ派のユーザーにも支持されるジムニーシエラ。その要因となっているのは、四角四面のボディ形状や丸型ヘッドライトなど、イマドキのクルマにはほとんど残っていない往年のクルマらしいスタイリングだ。そんなジムニーシエラだからこそ、足もとにもネオクラシックが似合う。チョイスしたのはMIDの新作となるガルシア「パーム8」。かつて4WDで定番ホイール形状となった、丸穴を空けるレンコンスタイルを再現。8穴のバランスの良いホール形状は、カッティング処理にも工夫してホールの存在感をしっかりアピールする。

ディスク面をセンターパートに向かって落とし込むコンケーブフォルムを作り出し、ディスク+ホール形状という単調になりがちなデザインに立体感と抑揚を付けている。リムもしっかりと備えている構造なので、足もとのワイド感も演出できる仕様だ。さらに好みで貼れるオプションステッカーも付属しているので好みのアレンジを施すことができるのも楽しい。オールドスタイルで足もとをコーディネートするなら間違いないホイールセレクトになるだろう。