GMCは3月30日、『ハマーEV』の「オーバーランダーコンセプト」(GMC HUMMER EV Overlander Concept)を今夏、初公開すると発表した。
◆荷台までルーフを延長しソーラーパネルを装備

同車は、電動ピックアップトラックの『ハマーEVピックアップ』をベースに、高いオフロード性能を追求した冒険仕様の提案だ。
GMCは、米国オレゴン州に本拠を置くEarthCruiserと協力する。EarthCruiserは、究極の4x4オフロード探査車をデザインし、製造していることで知られる。
GMCは、『ハマーEVオーバーランダーコンセプト』のティザーイメージを公開した。ピックアップトラックの荷台部分までルーフは延長されており、ロングルーフにソーラーパネルが装備されているのが見て取れる。
◆最強版は3モーター搭載で1000hp
米国仕様のハマーEVピックアップには、4タイプが用意される。このうち、最初に生産を開始したのが、エディション1だ。エディション1に続いて、「3X」、「2X」、「2」が順次登場する。
4タイプのハマーEVの中で、最も強力なのが、エディション1だ。エディション1には、3モーター+4WDの「e4WD」システムを搭載する。このシステムは、トルクベクタリング機能を備えており、最大出力1000hp、最大トルク1590kgmを獲得する。0~96km/h加速は、およそ3秒の性能を可能にしている。
0~96km/h加速およそ3秒の性能に貢献しているのが、「Watts to Freedom」と呼ばれるハマー独自のローンチコントロールモードだ。Watts to Freedomモードを選択することにより、EVパワートレインシステムの1000hpのパワーをフル活用し、加速するという。Watts to Freedomの準備段階では、インタラクティブコントロール、BOSE製スピーカーからのユニークなサウンド、アニメーション画面などにより「カウントダウン」の感覚をドライバーに伝える。走行安定性を高めるために、車高もおよそ50mm下がる。
◆1回の充電での航続は最大563km
ハマーEVピックアップは、GMの新世代EVパワートレインの「アルティウム・ドライブ」をベースにした最初のモデルだ。中でも、「アルティウム・バッテリー」は、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができる方式を採用した。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができるという。アルティウム・バッテリーの蓄電容量は、50~200kWhと幅広い。
ハマーEVピックアップの場合、航続が最も長いのは、エディション1となる。エディション1の予想航続は、最大563km。3Xと2Xは予想航続が最大483km、2は予想航続が最大402kmとなる。
エディション1のバッテリーの充電は、800ボルトのDC急速充電に対応する。出力350kWのDC急速充電ステーションを利用すれば、160km走行分のバッテリー容量を、およそ10分で充電することができる。
◆エディション1はすでに完売
エディション1には、オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」が標準装備されている。18インチホイール、35インチのグッドイヤー「ラングラー・テリトリーMT」タイヤ、アンダーボディアーマー、ロックスライダー、アンダーボディカメラもセットされている。なお、このエディション1は、すでに完売している。