鉄道設備にEVの再生バッテリー…JR東日本が踏切保安装置の電源に活用 2022年度から

警報器のみがある第3種踏切。
  • 警報器のみがある第3種踏切。
  • 初代の日産『リーフ』。
  • 再生バッテリーの利用イメージ。
  • 従来、踏切で使われていた鉛蓄電池の例。充電時間は保持容量40%から100%までの充電で70時間程度。停電の頻度にもよるが、耐用期間は3~7年程度となっている。
  • リチウムイオン電池による再生バッテリーの例。充電時間は鉛蓄電池と同様の条件で24時間程度と短く、耐用期間は10年と長い。

JR東日本車載用リチウムイオンバッテリーの二次利用へ向けた製造・販売を行なっているフォーアールエナジーは4月18日、電気自動車(EV)のリチウムイオン蓄電池式再生バッテリーを2022年度から踏切に導入すると発表した。

再生バッテリーは、消耗したバッテリーをバッテリー液を入れ替えるなどしてリサイクルしたもので、新品と比べて5~7割程度価格が安く、環境負荷の軽減やコストダウンを図れるメリットがある。反面、衝撃に弱いため、街灯や店舗のバックアップ電源といった固定的な用途に用いられることが多かった。

JR東日本では、EVの再生バッテリーを一時的な停電でも踏切保安装置の動作を継続させるための電源に利用するため、2021年4月から常磐線や水戸線にある10か所の踏切で性能の検証を進めていたが、その結果、充電時間が従来の鉛蓄電池の3分の1程度であること、10年の寿命を見込めること、鉄道沿線の環境で安定的に稼働できることが確認できたとして、鉄道設備へ初めて本格的に導入することになった。

再生バッテリーの利用イメージ。再生バッテリーの利用イメージ。

導入される再生バッテリーは、日産自動車が2010年から販売しているEV『リーフ』に用いられていたもので、2022年度はバッテリーの利用頻度が高く効果が大きいとされる160か所程度の踏切に導入する計画。

初代の日産『リーフ』。初代の日産『リーフ』。

その後も順次、導入箇所を拡大するとしており、ほかに無線設備などの電源装置に利用するための検証も進めるという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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