ルノーグループ傘下のアルピーヌは1月28日、将来の市販EVの車名をアルピーヌ『GT Xオーバー』(Alpine GT X-Over)と発表した。2025年までに、フランス・ディエップ工場において、生産を開始する予定だ。
◆フルEVのCセグメントスポーツクロスオーバー車に
アルピーヌは、高性能スポーツカーの開発を継続し、その世界的な地位を強化するために、F1をはじめとするレースへの情熱に卓越した技術を組み合わせている。そのイメージを維持しながら、アルピーヌは将来のEVラインナップの基準を高く設定している。
アルピーヌは、野心的なブランドの新車計画を掲げる。アルピーヌの戦略的計画では、2026年までに、EVスポーツ3車種を開発する。これら3車種のEVが、GT X オーバーをはじめ、コンパクトEV、『A110』の新バージョンだ。このうち、GT Xオーバーは、フルEVのCセグメントスポーツクロスオーバー車になる。
アルピーヌGT Xオーバーは、フランス・ディエップ工場で生産される。GT Xオーバーは、ブランドのノウハウとEVにおけるルノーグループの経験を、アルピーヌブランドを定義するスポーツカーの卓越性と組み合わせる。GT Xオーバーの生産に向けて、ディエップ工場に投資して、ルノーグループの最新の「CMF-EV」プラットフォーム車の生産を可能にする。目標は、他に類を見ない機能と設備を備えたEVを生産すること。GT Xオーバーは、フランス・ノルマンディー地域で製造される最初のEVになる。
◆日産『アリア』に初採用されたCMF-EVプラットフォーム
アルピーヌGT Xオーバーが採用するCMF-EVプラットフォームは、ルノー日産三菱アライアンスの新世代EV向け車台だ。「CMF」とは、「コモン・モジュール・ファミリー」の略。CMF EVプラットフォームは、日産が開発を主導し、新型クロスオーバーEVの日産『アリア』に最初に採用されている。
このEV専用プラットフォームは、EVに関する日産の豊富なノウハウを注入し、運転の楽しみや乗る人すべてが快適な車になることを目指して開発されたという。重量物であるバッテリーを車体中央に配置し、低重心かつ前後の重量配分が均等になるように設計された。
また、バッテリーケース内にクロスメンバーを配し、フロアトンネルが無いフラットなフロアも高い剛性を確保している。組み合わせられるサスペンション部品も高剛性な部品を採用するなどし、操縦安定性能を向上させるだけでなく、揺れにくい快適な乗り心地と高い静粛性を実現しているという。
◆ルノーのスポーツカーの開発をアルピーヌが統括
アルピーヌの市販モデル、ルノーのスポーツカー、ルノースポールレーシングの現在の活動は順次、アルピーヌブランドの下で統合される。アルピーヌは、目の肥えた顧客向けの新世代の自動車ブランドになるという。
アルピーヌはまた、ルノーグループとルノー日産三菱アライアンスの規模とノウハウを活用する。これには、ルノー日産三菱アライアンスのEVプラットフォームのテクノロジー、グローバルな生産施設、最適なコスト競争力を確保する購買部門、グローバルな流通ネットワークなどが含まれる。目標は、モータースポーツへの投資を含めて、2025年に利益を上げること、としている。