今回のマシンは、ヤマハの軽二輪スクーター『NMAX155』。原付2種の『NMAX125』から排気量を約30ccアップして高速道路も走れるようになった兄弟車ということになります。
排気量が155ccということで、重さや大きさは125ccクラスのスクーターと比べるとやっぱりちょっと感じられるかな。NMAX155の車重は128kg。125ccであるヤマハの『アクシスZ』だと100kg、スズキの『アドレス125』だと109kgなので30kg近くは変わってしまうことになります。
坂道をグイグイ登っていく感じが良いですね

ただ、125ccクラスの中でも兄弟車のNMAX125はなぜかこの155より重い131kgで、ホンダの『PCX125』は132kg。NMAXと同じようにPCXには兄弟車として排気量の大きい160も設定されており、これらは最初から155cc前後を前提に作られている感じがします。なので、NMAXやPCXに慣れている人には違和感ないかもしれません。
NMAX155は排気量が大きいぶん、走り出したときのレスポンスの良さをしっかり感じられます。特に坂道を走っているときはパワーに力強さがあってグイグイ登っていく感じが良いですね。速度が60km/hを超えても安定したパワーが出ており、エンジンや車体には十分に余裕が残っている印象。
ユルユルな速度で走るときも車体が安定

ハンドリングは車重100kgクラスの125ccのようなヒラヒラした軽快感とは違い、しっかり安定していながらパワーで速く走らせてくれるようなものになっていました。走りの余裕では、こちらの方が断然上ですね。さすが高速道路も走れる155です。
ライポジもちょっと余裕が上乗せされた感じ。フロアボードは足を真下に下ろして乗る以外に前方へ伸ばして乗ることもできる形状になっています。身長160cmの私だとこの伸ばした状態のときには足が若干突っ張り気味でしたので、身長が高い人には窮屈にならないちょうどいいライポジになるのではと感じました。
ただ、125より大きいとはいっても車体は凝縮されているので、取り回しではそんなに苦戦しないで済むのも、またNMAX155のいいところなんです。低速時やアイドリング時などユルユルな速度で走るときも、すごく車体が安定しているので、バランスを崩して転びそうになる不安がありません。
125ccにプラス1万6500円で高速道路も走れるようになる

125ccのNMAXがメーカー希望小売価格36万8500円であるのに対し、今回試乗したNMAX155は38万5000円で、なんと1万6500円プラスで高速道路も走れるようになります。しかもNMAX同士の場合は125ccから155ccにアップしても、全長が20mmプラスと全幅変わらずでほとんど車体サイズが変わりません。仮に高速道路はあんまり走らない人でも、125ccよりももう一歩パワーが欲しい。だけど車体のボディサイズをあまり大きくしたくない人にピッタリのマシンだと思います。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★
小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん
レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、2019年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。2021年にMFJロードレース国内ライセンスを取得して、2輪・4輪両方でレース参戦。ストリート走行からサーキット走行まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。