【日産 ノートオーラ NISMO】削ぎ落とされた機敏さ、力感、ハイテックなスマートさを表現

日産 ノートオーラ NISMO
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日産自動車は17日、自らがスポーツカーと名乗る『ノートオーラ NISMO』を発表した。そのデザインは新たなNISMOのデザイン戦略を盛り込んだ最初のクルマだという。

ヒットした先代からワンランク上の走りを目指して

NISMO最高経営責任者の片桐隆夫氏は先代のE12型ノート NISMOについて、「パワートレインにeパワーを追加し、100%電動駆動ならではの非常に滑らかでありながら、出足から発生する強力な加速感に、NISMOならではの卓越したハンドリングの良さが加わったことで、大ヒット。ノートの10台に1台はニスモというほど高く支持された」と振り返る。その理由は、このクルマが、「クルマを運転することを愛し、先進技術や新しいものに価値を見出し、常にワクワクを求めるお客様に選ばれたことにある」と分析。

また、ベースとなったノートオーラは、「コンパクトなボディサイズながらも、感性品質、デザイン、先進感に徹底的にこだわって開発し、ひとクラス上のクルマにお乗りのお客様にも十分満足してもらえるプレミアムコンパクトを実現している」と評価。

そのノートオーラを基準車として開発されたオーラ NISMOは、「レーシングテクノロジー由来の空力デザイン、ハンドリング、加速感を加え開発。日々のドライブに、かつてない興奮と、ワンランク上の走りを求めるお客様に向けて発表した」とコメントした。

電動シティーレーサー

今回の開発にあたって、NISMO CARSチーフプロダクトスペシャリストの饗庭貴博氏は、ベースモデルのワンランク上の上質さを求めるお客様に向けて開発されたことに加え、「ワンランク上への走りにこだわったスポーツカーとして磨き上げた」と明言。

そのコンセプトは、「アジャイルエレクトリックシティーレーサー」だという。「フォーミュラEにインスパイアされた、電動性能の進化を体現した、俊足の電動シティーレーサーだ」と位置付ける。その価値は3つあり、「モータースポーツに由来するデザイン、ハンドリング、加速感だ」と饗庭氏。

デザインは、「NISMOがレースで培ってきた空力技術を基盤としながら、新世代のNISMOデザインを開発した」。ハンドリングは、「スポーツカーの高揚感と、より速く走れる性能を目指し、好評だった先代ノートe-POWER NISMOを超えるレベルに仕上がっている。加速感は、e-POWERの制御をさらに深く研究し、大型ドライビングシュミレーターでNISMO専任ドライバーが、1千パターン以上の評価結果から、NISMOならではの俊敏さと加速の伸びを実現している」と説明。

Cd値はそのままにダウンフォースを稼ぐ

そのデザインコンセプトについて、日産グローバルデザイン本部でNISMOロードカーのデザインをまとめている森田光儀氏は、「イントレピットアーバンプレス。削ぎ落とされた機敏さ、力感、ハイテックなスマートさを表現した」と述べ、「これまでNISMOが培ってきたレーシングテクノロジーのフィードバックをベースに、電動スポーツにふさわしい機能的なデザインが醸す、クールさを追求したものだ」とコメント。

特に、「Cd値を悪化させずにダウンフォースを稼ぐ。これはNISMOロードカーをデザインする時のいつもの大きなチャレンジだ」という。今回は、フロントのエアダムやリアスポイラーの専用形状化に加え、前後のサイドエアスプリッターを採用。「フロントではサイド面にかけての空気の流れを整流し、また、リアでは、サイドから後面に風を巻き込まないよう、車両から後方に遠ざけた部分できれいに剥離させる風の流れをマネージした」と話す。
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NISMO CARSチーフビークルエンジニアの長谷川聡氏も、「バンパーの横に黒いプラスチックパーツがあり、これで空気を整流させている。リアのスポイラーも後ろが高くなった形状で、ダウンフォースを生むように、形状を変更。前からの抵抗を少なくして、ほぼ基準車と同じ空力抵抗のままダウンフォースを生んでいる」と述べる。
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これらによって、「操安性の向上や、シュアなハンドリングの実現にデザインで貢献をしている」と森田氏は機能を踏まえたデザインであることを強調した。

また、「デジタルガジェットにインスパイアされたデザインモチーフにより、精密機器が醸し出す高性能感を狙った」とし、「あえて情緒を抑えたジオメトリックなデザインで、スマートなパフォーマンス感を表現した」という。その意図は、「ガソリン車の熱を感じさせるパワー感とは一線を画し、クールでキレのいいインテンションのある面質や視覚的に軽さのあるリーンで彫刻的なフォルムにより、e-POWERのクリーンさとダイナミックな動感を表現している」とのことだ。

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新たなエンブレムを採用

進化したNISMOアイコンの具現化としては、NISMOの象徴ともいえる、“レイヤードダブルウィング”を進化させて取り入れられた。これは、「空気の流れを立体的に捉えたエアロファンクションを、アクセントカラーも使いながらビジュアライズしたものだ」と森田氏。水平なウイング状に施されたレッドアクセントは、「低重心でスタビリティのあるロー&ワイドなフォルムを強調している」という。

また新たにデザインしたNISMOエンブレムを前後共にセンターに配置。「シンプルでモダンなフラットデザインのロゴと、マットクロームのテクスチャのエンブレムは、前後ともブラックゾーンに配置し、どんなボディカラーや環境下でも高い識別性を実現。これまで以上にNISMOの自信を強くアピールする」。

今回新開発されたNISMO専用フォグランプは、「超広角配光と光量アップでドライビングをしっかりサポートするもの。リアフォグランプはフォーミュラEのリアランプにインスパイアされた、LED7灯のユニークなドット状のレイアウトを採用。インパクトのある後ろ姿を印象づけている」とした。

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高揚感を掻き立てるインテリア

コクピットは、「スポーツマインドを高揚させ、スポーティで上質。そしてインテリアスペース全体でのレッドアクセントの分量や配置などを改めて吟味した」という。「ファッショナブルな華やかさを求めるのではなく、スポーツドライビングを支える機能的な仕立てで、質の高い走りを直感してもらい、高揚感を掻き立てるものとした」と森田氏はいう。

ダークトーン化した金属加飾の目的は、「ドライビング時の視覚的ノイズを廃するため」。アルカンターラ巻きのステアリングは、「グリップをより確実にするため、レッドセンターマークは直感的、瞬間的にステアリングの直進位置を読み取れる機能のための仕立てだ」と述べる。
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精緻な作り込みとしては、NISMO専用のマットクローム色のNISMOロゴエンボス入りのフィニッシャーを採用。「ハンドルを握るたびに感じて頂ける特別なコックピット感を強調した」。
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NISMO専用のレッドのスタータースイッチとモード切り替えスイッチは、「クルマを起動する瞬間から、ドライバーの走りへの期待を高めている」と話す。

インテリアもメタル製の新NISMOエンブレムを新設。レッドカーボン調のフィニッシャーを助手席側インスルメントパネルと、センターコンソール部に採用。「メカニカルでハイテックな新しいNISMOの世界観を感じていただきたい」と森田氏。

さらに黒基調の内装に目を引く赤いシートベルトは、「新しいNISMOの世界観を表現するもので、新世代NISMOのインテリアデザインの新たなチャームポイントとして若々しくフレッシュ、ハイセンスな印象だ」と述べる。

標準のシートはオフセットストライプの専用ファブリックと、PVCのコンビネーションである。「シートバッグのNISMOロゴの刺繍や、赤とグレーのコンビネーションステッチには、洗練とクラフトマンシップを感じていただけるだろう」。そして、「NISMOロードカーのデザインもこのオーラ NISMOから新しい領域に一歩踏み出す。お客様の期待を超える姿を目指して、このノートオーラ NISMOのデザインを作り上げた」とその思いを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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