リマックが新型ハイパーEV、『ネヴェーラ』を発表…0-96km/h加速は1.85 秒

リマック・ネヴェーラ
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リマック・アウトモビリは6月1日、新型EVハイパーカーのリマック『ネヴェーラ』(Rimac Nevera)を発表した。

リマック・アウトモビリは2009年、クロアチアに設立された。リマック・アウトモビリの名を広めたのが、2011年に発表されたEVスーパーカーの『コンセプトワン』だ。コンセプトワンは、「世界初のEVスーパーカー」を掲げて登場した。2ドア、2シーターのスポーツカーデザインで、前後アクスルにそれぞれ2個ずつ、合計4個のモーターを搭載し、4輪を駆動する。

リマック・アウトモビリは2018年、ポルシェからの出資を受けた。ポルシェがリマック・アウトモビリの10%の株式を取得し、その後、出資比率を15.5%に引き上げた。リマック・アウトモビリは、高電圧バッテリー技術と電動パワートレインに関するノウハウを持っており、ポルシェは同社の技術を電動化の推進に役立てる方針。ポルシェはリマック・アウトモビリへの出資比率を、現在の15%から24%に引き上げることを決めており、ポルシェは電動化への取り組みをさらに強化していく。

ネヴェーラは2018年春、ジュネーブモーターショー2018で初公開されたコンセプトカー、『C_Two』の市販モデルだ。ネヴェーラとは、リマックが本拠を置くクロアチア近くの地中海で発生する嵐に由来している。ネヴェーラは、世界限定150台を生産する予定だ。リマック・ネヴェーラリマック・ネヴェーラ

初期のプロトタイプよりも空力性能を34%向上

ネヴェーラはボディ全体、ディフューザー、インテークの変更により、初期のプロトタイプよりもエアロダイナミクス性能を34%引き上げた。ボンネットやピラーの形状、ディフューザー、リップスポイラー、ラジエーターのデザインは見直され、エアフローとダウンフォースを追求している。

ネヴェーラの冷却性、パフォーマンス、安定性、効率性を高めるために、新しいアクティブエアロダイナミクスを開発した。フロントボンネット、アンダーボディフラップ、ディフューザー、リアウィングはそれぞれ独立して動き、さまざまな走行状況で最適な空力性能を発揮する。 「ハイダウンフォース」から「ロードラッグ」モードに切り替えると、空気抵抗が 17.5%減少する。ハイダウンフォースモードに戻すと、ダウンフォースが326%増加するという。

ネヴェーラには、先進運転支援システム(ADAS)用のカメラとセンサーが組み込まれた。バタフライドアは開いた時に、乗り降りしやすいスペースを作り出す。軽量の鍛造アルミホイールは、空気をブレンボ製のカーボンセラミックブレーキシステムに導くとともに、車体の側面にスムーズな空気の流れを実現するという。リマック・ネヴェーラリマック・ネヴェーラ

1914hpの4モーターで最高速は412km/h

ネヴェーラのモノコックには、カーボン製ルーフ、バッテリーパック、リアのカーボンサブフレームが組み込まれており、自動車向けとしては世界最大級の単一カーボンファイバー構造とした。単体重量は200kg以下で、2200枚のカーボンファイバー層と 222枚のアルミインサートを使用して、バッテリーを保護する。

H字型にレイアウトされた6960セルのリチウムマンガンニッケルバッテリーは、蓄電容量が120kWh。バッテリーを車両床下中央の低い場所に搭載することで、低重心を追求する。前後重量バランスは48対52とした。

ネヴェーラには4個のモーターが搭載されており、4輪を個別に駆動する。4個のモーターは合計で、1914hpのパワーと 240.6kgmのトルクを引き出す。1914hpのパワーは、内燃エンジンを搭載した標準的なスーパーカーの3倍の出力という。前輪と後輪はそれぞれ、シングルスピードギアボックスに接続されている。

ネヴェーラの動力性能は、0~96km/h加速が1.85秒。最高速は412km/hに到達する。静止状態から161km/hまでの加速タイムは4.3秒。静止状態から300km/hには9.3秒で到達する。0~400m加速は8.6 秒だ。リマック・ネヴェーラリマック・ネヴェーラ

ドリフトなど7種類のドライビングモード

「全輪トルクベクタリング2 (R-AWTV 2)」システムは、ESCやトラクションコントロールシステムに代わり、グリップとトラクションを強化する。R-AWTV 2 システムは、4輪に供給されるトルクの量を調整することにより、道路やサーキットの状況に応じた最適なレスポンスを可能にする。R-AWTV 2 は、4輪に伝達するトルクの正確なレベルを毎秒100回以上計算し、トルクレベルを調整する。

ブレーキペダルフィールシミュレーターを備えた電気油圧式ブレーキブースターは、バッテリー、パワートレイン、ブレーキの状態に応じて、制動力を調整する。たとえば、バッテリーが熱限界に近い場合は、摩擦ブレーキを通じて運動エネルギーを消費。摩擦ブレーキが高温になっている場合は、より多く回生ブレーキを作動させる。電気モーターによる最大300kWの回生ブレーキに加えて、390mm径の ブレンボ製カーボンセラミック ブレーキディスクと6ピストンキャリパーによって、強力なストッピングパワーを追求した。

電子制御ダンパーとアクティブライドハイト調整機能を備えたダブルウィッシュボーンサスペンションは、スムーズで快適な乗り心地、ボディコントロール、機敏なハンドリングの組み合わせを可能にするという。

ネヴェーラでは、7種類のドライビングモードが切り替えられる。「SPORTモード」はスロットル、ブレーキ、サスペンション、ステアリングの応答をシャープにする。「DRIFTモード」は後輪により多くのトルクを配分して、パワースライド状態を維持しやすくする。「COMFORTモード」は、リラックスした乗り心地、効率性、スポーツドライビングのバランスを取る。「RANGEモード」は、バッテリーの充電状態を考慮しながら、最大の航続を達成できるようにする。「TRACKモード」では、ドライバーが車両の性能を最大限に活用できるようにする。2 つの 「CUSTOMモード」により、ドライバーは事前に設定した好みのパフォーマンス特性にアクセスできる、としている。

《森脇稔》

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