感染を避けながら豊かに暮らす「withコロナ」の世界とは

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感染を避けながら豊かに暮らすwithコロナの世界とは
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新型コロナウイルスとの闘いは長期化の様相を呈してきました。外出自粛やテレワークなどが今後も続くとしたら、モビリティの未来にも大きな影響が及びます。旅行や帰省ができないこの長期休暇に、これからのモビリティを一緒に考えてみませんか。


このあとに来るのは「afterコロナ」ではなく「withコロナ」


世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。一部地域では終息しつつありますが、人類がウイルスに勝利したわけではありません。以前のように人々が自由に往来すれば、またどこかから感染が拡大する可能性があります。ワクチン開発や集団免疫の獲得には年単位の時間を要しますから、ウイルスの脅威がなくなる「afterコロナ」は当面先になるでしょう。


これから私たちが生きていくのはウイルスがいる前提で生活する「withコロナ」の世界です。その特徴は「ヒトはかつてほど動かない」「モノは動く」「情報はより一層動く」ということ。


この数カ月間、私たちは「密閉・密集・密接」の三密を避けてきました。企業はテレワークや時差出勤、ウェブ会議等を取り入れ、行政手続きもオンライン化の議論が進み、教育でもICT導入が推進されています。日常生活では外出自粛を受けてインターネット通販やテイクアウト・出前の利用が増えました。まさにヒトが動かず、モノと情報が動いている世界です。


今後は感染状況に応じて制限が段階的に緩和されていくでしょうが、私たちはもはや「beforeコロナ」の世界には戻れないでしょう。満員電車や狭い会議室は敬遠され、親しくない人との会食や相席には慎重になり、マスクやアルコール消毒を持ち続けます。また、テレワークやオンライン化は時間短縮や効率化などのベネフィットがあり、ICT活用は政策でもありますから、この流れが後退することもなさそうです。


何より忘れてはならないのは新型コロナウイルスを制圧しても、また別のウイルスが生まれる可能性があるということ。震災への備えに終わりがないのと同じように、ウイルス対策にも終わりはありません。beforeコロナでもafterコロナでもない、withコロナの世界はもう始まっているのです。


ヒトの移動を前提としたMaaSをいま一度考えたい


withコロナの世界では、モビリティの在り様も変わります。


外出自粛要請の影響でタクシー業界は乗客が激減。国土交通省は5月13日まで、タクシー事業者が貨物の配送ができるよう特例措置を始めました

すでに変化が起きているのはタクシーです。本来は旅客用で、モノを運ぶことはできません。しかし、外出自粛で利用が激減する一方で、出前や宅配等の需要が増加していることから、国土交通省は食料品や飲料の配送に限り、タクシーがモノを運ぶことを認める特例措置を発表しました。期限は緊急事態宣言の期限である5月6日から1週間後の5月13日までとしていますが、状況に応じて期限延長の可能性もあるといいます。


バスタ新宿では一部運行便が運休、営業時間短縮。新宿駅南口も閑散としています

そのほかの公共交通も日常の利用者が激減し、高速バスや臨時列車などは軒並み運休となっています。旅客機に旅行者ではなく、マスクを詰めた段ボール箱を乗せたことはニュースになりました。その一方で、ネット通販を扱う物流や宅配事業は空前の忙しさです。出前や宅配も増加し、あちこちでUberEatsの配達員を見かけるようになりました。


こうした変化を踏まえて考えたいのは、これからの「MaaS(Mobility as a service)」です。


地方都市ではMaaSを地域活性化策として検討しています。「住民の足として路線バスを維持したい」「観光誘致のために移動手段を整備したい」といったニーズに応えるべく、路線バスと物流を組み合わせる貨客混載や小型電動車両の導入など、さまざまな議論が交わされてきました。いずれも根底にあるのはヒトの移動をいかに円滑にするかという視点です。


普段は若者でごった返し、本来ならオリンピック・パラリンピックイヤーで、国内外の観光客に賑わうはずだった渋谷駅前

しかし、withコロナの世界ではヒトがかつてほど動きません。オンライン化で通勤・通学・通院が減れば、公共交通利用者は減ります。そもそも日本は人口減少で母数が減っていきますから、利用者が減ることを前提に議論することにデメリットはありません。観光にしても、2020年は東京オリンピック・パラリンピックで空前の盛り上がりを見せるはずでしたが、現在のように国内外の往来が止まればどうにもならないのです。


ヒトの移動が一定数あることを前提としたMaaSモデルはこの時代に合っているのかどうか、いま改めて考えるときではないでしょうか。


ヒントはモノと情報の動きにあると考えます。withコロナの世界でもコミュニケーションへの渇望と豊かさへの欲求に変わりはありません。外出自粛要請以降はオンライン飲み会が流行していますし、近所のお店に出前を頼んだり、離れた地域の特産品を取り寄せたり、それぞれに生活を楽しむ方法を模索しています。また、これまで「体験」と言えば空間が重要でしたが、Googleアースを使ったアフリカの野生動物見学ツアーを開催した人もいて、リアルではできない体験までもが共有されています。


ヒトが動かずとも、モノと情報でできることはもっとあるはずです。技術を駆使して新しい価値を創造する力が人間には備わっています。withコロナの世界で必要とされるMaaSとはどういうものか、一緒に考えてみませんか。


感染を避けながら豊かに暮らすwithコロナの世界とは

《SIP cafe》

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