一般的なカーオーディオメインユニットに内蔵されているパワーアンプは、外部パワーアンプと比べると非力で、結果、音質性能が劣ると言われている。しかし、『DIATONE SOUND.NAVI』のそれは、必ずしもそうとは言えない。さて、その理由は何なのか…。 ◆メインユニットは筐体サイズが小さい。ゆえにパワーアンプのために割けるスペースに限りが…。 AV一体型ナビも含めたカーオーディオメインユニットの内蔵パワーアンプは、基本的に非力だ。その理由はズバリ、「筐体サイズが小さいから」だ。1DIN、または2DINというそもそもコンパクトなサイズの中にさまざまなメカを内蔵する必要があり、内蔵パワーアンプのために確保できるスペースは限られる。ゆえに内蔵パワーアンプは小型化せざるを得なくなる。 小型であると、発生できるパワーにも限りが出てくる。というのもパワーアンプは本来、高性能であろうとすると筐体サイズは大きくなる。“D級”パワーアンプにおいてはある程度の小型化が図れるものの、それでも内蔵パワーアンプと比べれば大きい。そして“AB級”や“A級”のパワーアンプに至っては、超高級機ともなるとそのボディは相当に大型化する。 ちなみにメインユニットの内蔵パワーアンプの最大出力は大体どれも、50W×4ch(4Ω)程度で、定格出力では20W×4ch(4Ω)といったところがアベレージだ。DINサイズの中では、そのくらいのパワーを確保するのが精一杯、なのである。 対して外部パワーアンプはパワフルだ。リーズナブルなモデルでも1chあたりの定格出力は、軒並み50Wを超えている。ミドルグレードのモデルともなれば、100Wを超えてくるモデルも多く、高級機では200W超のスペックを誇るモデルも珍しくない。 そしてこのパワーの違いは、ダイレクトに音に効いてくる。 ◆通常なら、追加する外部パワーアンプがエントリーモデルでも音が良くなる。しかし『DIATONE SOUND.NAVI』の場合は…。 さて、パワーの違いはどのように音に効いてくるのか。クルマのエンジンをイメージすると、そこのところを理解しやすい。660ccのKカーと3リッターエンジンを積んだセダンとがあったとしよう。この2台では、走りの快適性に顕著に差が出る。市街地走行においても余裕が違い、高速道路での走行時にはさらに差が開く。Kカーは常に目一杯の走りになりがちだが、セダンの方は軽快に走れる。そして高速巡航中からの加速もスムーズだ。しかしKカーではそうはいかない。 パワーアンプでも同様な違いが出てくる。小さめな音量での再生時にも余裕が違い、大音量で聴くときにはその差はさらに広がっていく。外部パワーアンプは瞬間的に大きな音が鳴らされるときでも、その変化に余裕を持って対応できるが、内蔵パワーアンプでは大音量時のダイナミックレンジの幅が狭くなる。抑揚の表現に限界が出てくる、というわけなのだ。 ゆえに通常のメインユニットに外部パワーアンプを組み合わせると、そのモデルが例えエントリー機であったとしても、確実に音質向上が果たされる。 しかし、『DIATONE SOUND.NAVI』ではそうはならない。エントリーグレードのパワーアンプに交換しても、音質向上を感じ取り難い。 ちなみに、『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプのスペックを見ると、「最大出力:45W×4ch/4Ω」と記されている。つまり『DIATONE SOUND.NAVI』でも内蔵パワーアンプが非力であることには変わがない(むしろ、わずかではあるが一般的なメインユニットよりもパワーが小さい)。にもかかわらず、外部パワーアンプを追加しても必ずしも音質向上が果たされないのだ。その理由は何なのかと言うと…。 ◆『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプは、“質”が良い。そのポイントとは…。 理由は至って単純明快だ。「『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプは、“質”が良いから」だ。“質”の良さが、パワーが小さいというそのビハインドを補ってくれるのだ。エントリーグレードの外部パワーアンプが力ワザで押そうとも、それを凌駕する音質性能が担保できている、というわけなのだ。 さて、『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプの“質”が良いポイントはどこにあるのか。それは主には、以下の3点に集約できる。 まず1点目としては、「回路設計が考え抜かれていること」が挙げられる。AV一体型ナビには実は、「オーディオ回路と内蔵パワーアンプとを最短で結べる」という利点がある。『DIATONE SOUND.NAVI』はその利点を最大限活かすべく、回路構成はもちろん部品配置や配線に至るまでが徹底的に計算し尽くされ、設計されている。 2点目としては、「高音質パワーアンプICが採用されていること」が挙げられる。『DIATONE SOUND.NAVI』で採用されているそれは、NXP社製の高音質モデルだ。当ICには電源供給ラインすべてに純銅線が使用される等、音への配慮が多々盛り込まれている。 そして3点目として、「入力信号のレベルと増幅率を最適化していること」が挙げられる。増幅率は1/3に抑え、しかし入力信号のレベルは3倍にすることで、周辺ノイズの影響を大幅に減少することに成功している。 つまり『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプは、もろもろの制約がある中でできる限りの工夫が凝らされていて、徹底的な高音質化が図られているというわけなのだ。 『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプは、一般的なメインユニットのそれとは“モノ”が違う。生半可な外部パワーアンプではその性能を上回れない。 『DIATONE SOUND.NAVI』ならば、これ1台で高音質なカーオーディオシステムの礎を築ける。純正スピーカーのままでも高音質が楽しめ、スピーカーを換えればさらなる良音を獲得できる。もしもクルマの中で良い音を聴きたいと思うなら、当機のチェックはマストだ。
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