【ドゥカティ パニガーレV2 新型試乗】旋回時の対話を楽しみたい玄人にお勧めしたい…松井勉

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ドゥカティのホームタウンを意味する”パニガーレ”

ドゥカティというブランド名を聞くと、同社が連綿と展開するレース活動を彷彿とさせるプロダクトが真っ先に脳裏に浮かぶファンは少なくない。

現在、同社がそのセグメントで展開するスーパーバイクモデルは、パニガーレファミリーと呼ばれる。そのパニガーレの語源は、ドゥカティが本社をおくイタリアの北部ボローニャにある町、ボルゴ・パニガーレであり、いわば、開発と生産、レース活動の本丸、そんな情熱のブランド、ドゥカティのホームタウンを意味する言葉は、老舗の暖簾に抜かれた本店の文字に同じく、誇りと威信がぎっしりと込めているわけだ。ここに紹介するパニガーレV2は、このファミリーにおいてV4とは異なるキャラクターだ。そして、乗って解ったのは、その深い味わいはV4にも勝るとも劣らない素晴らしいものだった、ということ。

操る前からアドレナリンが静かに湧き出すほど美しいスタイル

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排気量955ccの水冷V型2気筒スーパークアドロエンジンを搭載し、インジェクターの変更、エアインテーク形状や排気系の見直しにより得たパワー/トルクは155PS/10,750rpmと104Nm/9,000rpm。従来モデルと排気量は同じがながら、5PSと2Nmを上乗せした。ドライバビリティーが磨かれたのはいうまでもない。

また、インパネ回りは、コンパクトなカウル内に納めるよう4.3インチのTFTカラーモニターを新たに採用。操作性、視認性を含めダイナミックなライディングに集中できる機能美を感じさせるもの。

電子制御関連もパニガーレV4と同様、最新版が搭載された。中でも、トラクションコントロールの制御アルゴリズムなど(パニガーレV2のメディアテストが行われたのは2019年初冬の時期だ)、その前年、ドゥカティのMotoGPマシン、デスモセディッチGP18から多くのフィーバックを得ているという。2年連続でMotoGPのチャンピオン争いを沸かせたドゥカティだ。その制御系が味わえると、とあれば興味深いことこの上ない。

シャシー系は車体姿勢の見直しやサスペンションのダンパー特性変更などにとどめているが、開発者の言葉を借りれば、乗れば全くの別物だと解るはず、という。

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なにより、パニガーレV2のハイライトはクリーンで美しい外観だろう。トップレンジのパニガーレV4は、ワールドスーパーバイクという市販車ベースでの最強クラスにエントリーする関係で「市販車に着いていないものは追加できない。」というルール通り、最初からウイングを装着するなどが、パニガーレV2のフェアリングなどはダブルレイヤースタイルを採用しながら、スリムな部分と張りの部分を見事に表現。エンジンの上に箱形のモノコックフレームを載せるという究極のスリムさにおさえた骨格による演出された抑揚もここに極まる印象だ。テールエンドまで貫かれたスタイルは、人が乗り、操る前からアドレナリンが静かに湧き出すほど美しい。

スペインのへレスサーキットでパニガーレV2を試す

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多くの道具がそうであるように、ハイスペックがそのまま乗る悦びに結び着くかは、作り手がどれけ人間的資源を掛け磨き込んだかだ。レザースーツに着替え、スペインのMotoGPサーキットの一つ、ヘレスでパニガーレV2を走らせた。タイヤはサーキット専用ラジアルに履き替え、思う存分試して欲しいというのがドゥカティの意図のようだ。

跨がった第一印象はとてもコンパクト。それでいて身長183センチの私でも窮屈さがない。ハンドルバーの角度、シートの前後幅、そしてステップの位置など適切で多くのライダーに不満のないポジションを提供している。

エンジンのキャラクターは、説明のとおりスムーズかつわかりやすいパワーデリバリーが魅力。アクセル操作に対して突発なところがない。次第にコースになれ、ブレーキングポイントと旋回時に寝かす角度を深めて行く。車体を寝かすのに呼応して前輪に舵角が着く。そして曲がり出す一連の動きは的確で素早くそれでいてクイック過ぎる挙動がない。タイヤのグリップをたっぷり感じながら、立ち上がりに向けてアクセルを開けるタイミングをしっかりと計れる。

マシンと対話しスポーツライディングを愉しむ

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意識をいかに次のことに向けられるか。このゆとりこそ優れたバイクの証左だ。ペースが上がっているのは、クリップに着いたとき、体の下を流れて行く2色に塗り分けられた縁石が跳ね返す太陽の光で解る。我慢しきれずアクセルオンが早すぎると、フロントフォークが伸び、理想のラインよりわずかに膨らみ、S字の切り返しで遠くから戻ってくることになる。次のラップでは、もっとアウトからアプローチして、開けても外にはらなまいラインを摂ろう・・・・。そんなやりとりの連続こそスポーツライディングの醍醐味だ。

パニガーレV2は、ブレーキング時のスタビリティーをはじめ、あらゆる場面でこうした対話するゆとりをもたらすバイクだ。ストレート加速や到達最高速では軽く200馬力を越えるパニガーレV4が圧倒的するが、このパニガーレV2が見せた心とマシンのコネクタビリティーは忘れることのできない。到達速度よりも旋回時の対話を楽しみたい玄人にお勧めしたい。そこに高い価値があると思うからだ。

ドゥカティ「パニガーレV2」の詳細はこちら

松井 勉 |フリーランスモーターサイクルジャーナリスト
高校3年になる春休みに中型限定を取得。二十歳の時、大型自動二輪免許である限定解除試験をパス。空冷4発のリッターバイクと暮らし、そして別れ、オフロードに没頭。4時間エンデューロでオフロードレースの産湯をつかり、数々もまれながら雑誌の取材で海外のオフロードレースへ、バハ1000、ダカールラリーにも参加。数々のインプレッション取材でバイク知識の礎を築き現在へ。

《松井勉》

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