ボルボカーズ(Volvo Cars)は2月21日、『V90』と『V90クロスカントリー』の改良新型を欧州で発表した。
現行V90は2016年3月、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2016でワールドプレミアされた。大型のステーションワゴンで、荷室や収納部には、ボルボカーズのワゴン開発60年以上のノウハウが反映された。室内には厳選された素材を使用し、最上級車に相応しい仕上がりを追求した。
この現行V90をベースに、車高を若干引き上げて、オフロード走行に対応させたのが、2016年11月に米国で開催されたロサンゼルスモーターショー2016でワールドプレミアされたV90クロスカントリーだ。フェンダーエクステンションやアンダーガードなどの専用装備を採用しており、V90のクロスオーバー車に位置付けられる。この両車がデビューからおよそ4年となり、初の本格改良を受けて、改良新型が欧州で発表された。
内外装を変更
改良新型のエクステリアは、フロントに新デザインのバンパーやフォグランプを装備した。リアは、バンパーとスポイラーのデザインが新しい。テールランプも新デザインで、新たにLEDシグネチャーライティングとシーケンシャルターンインジケーターが組み込まれた。ボディカラーには新色が追加され、ホイールのオプションも豊富に用意された。これにより、顧客のパーソナライズオプションが拡大している。ボルボ V90 クロスカントリー 改良新型
インテリアには、Bowers&Wilkins製の最新オーディオシステムを採用する。改良されたアンプ、自動ノイズキャンセレーション、お気に入りのジャズクラブのサウンドを再現する新機能など、総合的なアップグレードが施された。ボルボカーズによると、車内のサウンドエクスペリエンスをさらに向上させるという。
インテリアの素材に関しては、2019年に『XC90』に初めて導入された特別なテーラードウールブレンドシートが、改良新型V90とV90クロスカントリーでも選択できるようになった。
PM 2.5粒子センサーを備えた空気清浄機能
改良新型には、PM 2.5粒子センサーを備えた空気清浄機能を設定する。この機能は、「Advanced Air Cleaner」テクノロジーと呼ばれており、最初に中国市場向けに開発され、その後、グローバル展開された。
空気清浄機能を利用すると、ドライバーはセンタースクリーンによって、車内の空気の汚れ具合を監視できる。車内の空気が汚れている場合、空気清浄機能は数分以内に、空気中に含まれるほとんどすべての小さな粒子を浄化することができる。
改良新型では、12ボルトのコンセントに代えて、2つのUSB-C充電ポートが装備された。小型SUVの『XC40』の最初に導入されたスマートフォン用のワイヤレス充電機能も、改良新型V90とV90クロスカントリーに用意されている。ボルボ V90 クロスカントリー 改良新型
48Vのマイルドハイブリッドは最大15%燃費向上
改良新型には、パワートレインに48Vのマイルドハイブリッドが設定された。V90には、プラグインハイブリッド車(PHV)が設定されていたが、今回、48Vのマイルドハイブリッドを追加することにより、全車に電動モデルを用意するというボルボカーズの戦略を拡大する。
ボルボカーズの48Vのマイルドハイブリッドは、リアルワールドの走行で、最大15%の燃費向上とCO2排出量の削減を可能にしている。ブレーキバイワイヤシステムは、エネルギー回収システムと相互作用し、ブレーキ時に運動エネルギーを回収することにより、燃費向上とCO2排出量の削減を実現するという。
ボルボカーズは、V90クロスカントリーの48ボルトマイルドハイブリッドは、クロスカントリーの歴史において、最初の電動モデルになる、としている。