JR東海は1月22日、在来線用の新型通勤型電車315系を2021年度から導入することを明らかにした。
国鉄時代に登場した211系や、JR東海発足後の1989年に登場した213系5000番台、311系といった車両が更新期を迎えることを機に、総額約720億円をかけて導入される。
315系は制御方式にVVVFインバータが採用され、最高速度は130km/h。保安装置のATS-PTやモーターを駆動させる電力変換装置を2重系化して信頼性を向上させるとともに、JR東海の在来線車両としては初めて停電時などで最寄り駅まで走行できる非常走行用蓄電装置を備える。
電力変換装置にSiC素子を導入することで消費電力を211系比で35%程度低減、照明にはLEDを採用するなど省エネ化も図られる。台車には、現在、試験走行が行なわれている次期特急型気動車HC85系と同じ「一体成形による台車枠」「タンデム式軸箱支持構造」を採用し乗り心地を向上させる。
また、台車などの振動状態を検知する装置や、車両~地上間のデータ通信装置を搭載することで、メンテナンスの向上も図られる。
車内はロングシートで、1両につきフルカラー液晶ディスプレイによる情報表示装置が6か所に、車内防犯カメラが5か所に設置。全車両には車椅子スペース、全編成に車椅子対応トイレが1か所ずつ設置される。
2025年度までに352両が名古屋・静岡都市圏を中心に、中央本線や東海道本線、関西本線などへ順次投入される計画で、現在、JR東海に残る国鉄時代に登場した車両(211系0番台8両)がすべて淘汰されることになる。