【懐かしのカーカタログ】『ヤリス』の原点、初代 ヴィッツ は欧州で認められた実力の持ち主だった

トヨタ ヴィッツ 初代のカタログ(1999年)
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先ごろ4代目に当たる新型が発表され、これを機に車名も『ヴィッツ』から海外市場と共通の『ヤリス』に改名。走りの楽しさや上質感、繋がる機能など、新時代らしくポテンシャルを高めて登場してくる(発売は2020年2月)。

『ヴィッツ』の前身にあたる『スターレット』は、1973年登場初代の『パブリカ スターレット』に始まり、途中RFからFFに転換し5代目(1996~1999年)まで続いたトヨタのベーシックカーだった。その後継モデルとして1999年にバトンを受け取ったのがこの初代『ヴィッツ』だった。

欧州コンパクトのようなカタマリ感のある佇まい


初代『ヴィッツ』は、当時トヨタが掲げていた「NBC(ニュー・ベーシック・コンパクト)」のコンセプトのもと誕生したモデルで、ショーモデルの登場は'97年のIAA(フランクフルトショー)でのこと。このときに“ファンタイム”“ファンカーゴ”“ファンクーペ”と名付けられた3台のショーモデルのうちの“ファンタイム”が量産型の『ヴィッツ』に繋がった。ちなみにもう1台、『ファンカーゴ』も、この時のショーモデルから量産車に発展した。

“ファンタイム”はフロントのバンパーコーナーの処理やランプ類などディテールに差異はあったものの、ほぼ量産車の姿を伝えるものだった。フランクフルトに続き東京モーターショーに出展されるために日本にやってきたショーモデルそのものを、筆者は東モ直前、とあるトヨタの施設で開催された事前撮影会会場で見た。

輸送中のアクシデントだったのか、撮影現場でモックアップのヘッドランプユニットが外れていたのをスタッフが修復していた……というのはここだけの話だが、それはともかく、ショーモデルとはいえ実車を目の当たりにして、その時かなり興奮したのを覚えている。


カタマリ感のある佇まいはまるで欧州コンパクトカーのようだ……が第一印象。それもそのはずで、“ファンタイム”ら一連のショーモデルは、トヨタが欧州に持つデザインスタジオEPOCの仕事だった。この時のデザイナーはギリシャ人のソティリス・コボス氏といい、氏には『ヴィッツ』が日本で発売される直前に1度インタビューしたことがある。

筆者が「デザイン上の最大の特徴は何ですか?」と訊くと、彼は長身をサッと床に屈めて陸上競技の“クラウチングスタート”の姿勢を取ると自分の肩をポンポンと叩き、「こうした時の肩口の張った感じ」と教えてくれた。コンパクトカーであっても力強く見えるポイントはそういうところに秘密があったのである。

本場ヨーロッパでも認められた実力

実は筆者は欧州コンパクトカーをしばしば自分のクルマとして持っていることが多く、ちょうど『ヴィッツ』の発売当時も、G・ジウジアーロのグリーンの初代フィアット『プント』に乗っていた。あのクルマも小さくともカタマリ感があり、シンプルなグラフィック、人も荷物も何なくのみ込む秀逸なパッケージングなど(CVTの緩慢な加速以外)出来のいいコンパクトカーだった。そうした当時の欧州車と比肩し得る……というか、『プント』から乗り換えてもいいと思わせられるほどのクルマでもあった。

なお『ヴィッツ』は発足直後のネッツトヨタ店の2番目の専売車種だった(1番目は『アルテッツァ』)。同販売チャンネルの車種のカタログは、写真のようなイラスト仕立てだったのもユニークだった。

ともかく初代『ヴィッツ』の評価は高く、登場するや欧州と日本のカー・オブ・ザ・イヤーのタイトルもモノにした。つまりコンパクトカーの本場ヨーロッパでも、その実力は認められたのだった。実車は4.3mの最小回転半径の小ささで扱いやすく、走りも総じて爽やか。


インテリアはインパネの設置アーパネル左右にセカンドバッグ(懐かしい!)がサッと突っ込めるようなポケットを用意するなど、外観同様にシンプルなデザインながら実用性にも富み、居住性も上々だった。こう書いては申し訳ないけれど、“昨日までの『スターレット』とはまったく世界観の違うチャーミングなクルマ”だった。

そういえば、登場時に商品企画ご担当の関係者に「まさか、従来の日本車的なメッキのグリルが付いた仕様など出さないでしょうね?」と念を押しておいた直後、そのとおりの仕様が設定されているのを見つけ「あらら」と思ったことも付記しておく。

トヨタ ヴィッツ 初代モデル

《島崎七生人》

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