【ジープ チェロキー 雪上試乗】新しいチェロキーは「かなり変わった」…中村孝仁

ジープ チェロキー 新型
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ご存知ないかもしれないが、ジープというブランドは今や全世界で年間100万台を販売するメガブランドである。日本でも年間販売台数は1万1000台を超え、輸入元のFCAジャパンの年間販売におけるほぼ半数をジープが占める。

それだけではない。各セグメントにおいてもほぼすべてのモデルがトップ6に入る健闘を見せているのだ。実は唯一『チェロキー』の台数が、調べてもらった時は出ていなかった。それは2018年10月にビッグマイナーチェンジをして現在に至るため、まさしく昨年のモデルイヤーはモデルチェンジ前の言わば末期だったから敢えて出していないのかもしれない。

それはともかくとして、新しいチェロキーはかなり変わった。

新型チェロキーは何が変わったのか


まずエンジン。従来は3.2リットルのV6と2.4リットル直4の2本立てだったが、マイナーチェンジでV6がドロップアウトし、従来の2.4リットル直4に加え、新たに2リットルの直4ターボエンジンを設定し、これが従来のV6の代わりになる。このエンジン、すでに『ラングラー』に搭載されているものだが、あちらは縦置き。一方チェロキーは、現行KLのコードネームのモデルからCUSWという名の横置きプラットフォームを採用しているため、それにアジャストしたものである。

次に、エクステリア。特にフロントのスタイリングが変わった。従来はジープのアイコンでもある、7スロットのグリルがボンネットの上にまで回り込み、ヘッドライトも薄目を開けたライトの下側にヘッドライトが来る独特なデザインだった。それが新しいものは、ほぼ直立したグリルになって、ヘッドライトもコンベンショナルなデザインに変わった。まあ、有体に言えば保守化したということだ。もっともそれは斬新だったスタイルが受け入れられなかったことも意味する。

インテリアのクォリティは、以前から十分に高くほぼプレミアムセグメントといって良いほどだった。まあ、アメリカン・プレミアムだがそれでも十分納得のクォリティーを持っている。

スムーズで出来の良い直噴4気筒ターボ


今回はおおよそ100km近くの雪道を走り、そのすぐ後に東京に戻ってオンロードを350kmほど試してみた。ラングラーでも実感したが、今度の新しい直噴4気筒ターボは素直に出来が良いと思う。

まず、従来クライスラーが持っていた直4エンジンは、タイガーシャークと呼ばれる2.4リットルユニット。2013年からクライスラー各車に搭載されていたものだが、とにかくそれ以前にクライスラー『ネオン』や『PTクルーザー』等に搭載されていたものの改良版で、これがお世辞にも良いエンジンとは言えず、フリクションが大きく騒音もひどいエンジンだった。それが、新たな2リットルエンジンは良く回るしスムーズだ。

このエンジン、もとをただすとFCA内でGMEと呼ばれるエンジンファミリーであり、ベーシックにはアルファロメオが『ジュリア』や『ステルヴィオ』に搭載するものと同じものである。ここに至ると、やっとスムーズで良く回り…の合点がいく。とにかくトップエンドまで全くパワーの衰えを感じないし、実にスムーズだ。

オンもオフも走れるAWD


本国のチェロキーには3種の4WDシステムが用意されているが、日本市場は今のところこの「リミテッド」に装備されるアクティブドライブ1が唯一の選択肢。いわゆるオンデマントのシステムで、ローレンジを持たないシステムである。従ってドライバーは何もする必要がない。オートをセレクトしておけば必要に応じて勝手にトルクを分配してくれる。ドライ路面では完全なFWDとなる。

因みにまだ日本にやってきていないチェロキーの「トレイルホーク」というグレードは、アクティブドライブロックという名の4L及びリアディファレンシャルのロック機構を持つモノ。これがこのアクティブドライブ系の4WDシステムでは最強である。

雪の上はこのアクティブドライブ1とグッドイヤー製のスタッドレスタイヤ、アイスナビの組み合わせ。正直、北海道の雪道を結構なペースで走っても、一切不安を感じるような状況には遭遇せず、極めて安心かつ有効にトルクを伝えて快適な走りを実現してくれた。一方、都会に帰ってきても、このタイヤとドライブシステムの組み合わせには変更ないのだが、路面は完全ドライのターマックばかり。タイヤが発するノイズが心配されたが、オンロードでも静かなもので、気になる高周波ノイズは一切なかった。

ATは、ZFが初めて作った横置きエンジン用の9速ATである。同じものをレンジローバー『イヴォーク』なども使っているが、キャリブレーションの違いからか、ジープの場合日本の路上で9速に入ることはまずない。 なので、残念ながら9速といえども現実的にはほとんど8速の価値しかない。ただ、その性能といい、装備といい、同クラスのライバルに全く引けを取らないし、装備レベルもほぼフル装備である。ACCをはじめとした安全快適装備もフル装備。これで売れない理由は見当たらない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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