【WRC 第12戦】スポット参戦の元王者ローブが通算79勝目…トヨタ勢は6-7-8位、メーカー首位キープで最終戦へ

優勝した#10 ローブ。
  • 優勝した#10 ローブ。
  • 優勝のローブ(右)と、彼のコ・ドライバーであるD.エレナ(左)。
  • WRCスペイン戦のトップ3となった各コンビ。
  • 2位の#1 オジェ。
  • 4位の#5 ヌービル。
  • 6位の#8 タナク。
  • 8位の#7 ラトバラ。
  • VWポロGTI R5で参戦した#49 ソルベルグ。

現地25~28日に開催された世界ラリー選手権(WRC)第12戦スペインで、スポット参戦の2004~12年王者セバスチャン・ローブ(シトロエン)が通算79勝目をあげた。トヨタ勢は今回6-7-8位、マニュファクチャラー部門王座争いの首位を守って最終戦に向かう。

グラベル(非舗装路)とターマック(舗装路)のミックスイベントであるスペイン戦は、競技最終日の28日(日曜)を前に上位8台が約1分差、混戦といってもいい展開になった。トップで最終日を迎えたのはトヨタ・ヤリスWRCの#7 ヤリ-マティ・ラトバラ。しかし#7 ラトバラは最終日、2番手に後退したのちにガードレールとの接触でホイールにダメージを負い、パンクして大きなタイムロスを喫することになってしまう(最終結果8位)。

優勝は今回、スポットでシトロエン(CITROEN TOTAL ABU DHABI WRT)から参戦したWRC9冠王、44歳の#10 セバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)。近年はWRCへの通年参戦をしていないローブが、2013年以来の通算79勝目(歴代最多)を記録した。シトロエンは今季初優勝。

「今年、3戦のスポット参戦を開始した時点で(今回が3戦目)何が期待できるかは分からなかったし、ドライブはできても、再びトップレベルに届くのかどうかは分からなかった」とローブ。「簡単ではなかったけど、フィーリングが戻ってきた。そして、ここで勝てた。信じられないくらい素晴らしい気分だよ」。WRC史上最強、世界のモータースポーツ史上でも最強説のあるローブが衰えぬ技量を発揮、貫禄を示した。

2位は#1 セバスチャン・オジェ(フォード・フィエスタWRC)、3位には#2 エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が続いた。ドライバーズポイントランク首位でこのラリーを迎えていた#5 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は4位。

トヨタ勢は6-7-8位で今回のラリーを終えている。6位は#8 オット・タナク、7位に#9 エサペッカ・ラッピ、そして8位が#7 ラトバラ。実は#8 タナクも金曜終了時点で首位に立ちながら、土曜にパンクで順位を下げた経緯があった。そうした順位経過から考えれば、最終的な6-7-8位という結果はいかにも残念なところだ。

ただ、トヨタはマニュファクチャラー(チーム)部門ではポイントランキング首位を守っている。最終戦を前に、TOYOTA GAZOO Racing WRTは331点、これをHYUNDAI SHELL MOBIS WRTが12点差(319点)で追う。この部門は1大会で最大43点獲得できるので、ヒュンダイにも逆転の可能性が充分に残る接戦だが(自力逆転の目もあり)、トヨタは19年ぶりの王座に照準を定めて今シーズン最後の戦いに臨む。

また、ランク3位のM-SPORT FORD WRT(306点)にも数字的には逆転王座の可能性が残されている。

一方、ドライバーズチャンピオン争いの方では、自身6連覇を狙う#1 オジェが首位に立った。#1 オジェは204点、これに3点差の201点で#5 ヌービルが続く。ドライバーは優勝で25点、さらにパワーステージ(原則として最終ステージ)で最高5点を加算できるので、最大30点獲得可能だ。3点差は僅少差といっていい。最終戦では“先着勝負”に近い状況での王座争いとなるかもしれない。

ドライバーズランク3位につける#8 タナクは首位から23点差(181点)。ここからの逆転は少々厳しいところだが、展開次第ではトヨタ2冠制覇の可能性も残る。#8 タナクは「最後まで絶対に諦めない。そしてマニュファクチャラー選手権争いにおいては、我々は依然有利な立場にある」と、ファイナルバトルに向けて意気込んでいる。

なお、WRCスペイン戦にはトヨタの育成プログラム選抜ドライバーである#39 勝田貴元がフォード・フィエスタR5を駆り、WRC2クラスで参戦、クラス12位で完走した。また、ローブ以外にも元WRC王者の#49 ペター・ソルベルグ(03年王者)が参戦しており、VW MOTORSPORTのポロGTI R5でWRC2クラス3位、総合14位に入っている。

2018年WRC最終戦(第13戦)はオーストラリアが舞台。11月15~18日に両タイトル争いを決する戦いが展開される。

《遠藤俊幸》

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