【スーパーフォーミュラ】来季マシンSF19、ドライバー防護の「HALO」を装着した状態で初走行

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HALO装着状態で走行したSF19。
  • HALO装着状態で走行したSF19。
  • HALO装着状態のSF19(ドライバーは山本尚貴)。
  • HALO装着状態のSF19(#11 ホンダエンジン搭載車)。
  • HALO装着状態のSF19(#11 ホンダエンジン搭載車)。
  • ホンダエンジン搭載車をドライブした山本尚貴(左)。
  • HALO装着状態のSF19(ドライバーは国本雄資)。
  • HALO装着状態のSF19(#00 トヨタエンジン搭載車)。
  • トヨタエンジン搭載車をドライブした国本雄資。

7月31日、スーパーフォーミュラ(SF)の来季型マシン「SF19」の国内2回目にあたる開発テストが富士スピードウェイで始まり、今季F1で実戦採用されているドライバー防護デバイス「HALO」を装着しての初走行シーンが見られた。

HALOはアクシデント時に生じる飛散パーツやタイヤ、接触相手のマシン等による“攻撃”からドライバーの頭部を守る柵状のデバイスで、コクピット上面に設置される。柵という表現が正しいかは微妙だが、詳細は写真を参照していただきたい。

既にF1では今季から実戦採用中で、HALOの読み方は「ヘイロー」が主流のようだ(日本ではハロと呼ばれることも多い)。重量は取付器具を含めて約8kg(今回SF19が装着したものの数字)。

SFに来季導入される新ワンメイクマシン「SF19」はHALO装着/非装着いずれの状態でも運用できるつくりになっており、SFのシリーズ運営団体JRPは来季実戦での装着/非装着については様々な検証を経たのちに決定するとしている。7月初旬の国内1回目のテストではホンダエンジン搭載車がHALO非装着で走ったが、今回、トヨタエンジン搭載車と2台揃ってのテストではHALO装着状態での走行も実施されることとなった。

2日間の日程のテスト初日、午後1~2時の2回目の走行セッションで、#11 SF19・ホンダ(ドライバーは2013年王者の山本尚貴)と#00 SF19・トヨタ(2016年王者・国本雄資)がいずれもHALO装着状態で走行。セッションの最後にはホームストレートのスターティンググリッド上で、スタートシグナルの見え方を確認する作業も実施されている。#11は午後3時からの3回目のセッションでも最後にHALOを再装着した。

この日の走行後、山本尚貴はHALO装着についてポジティブな見解を示している。

「新鮮でしたね。フォーミュラでもなく、(SUPER GTのような)ハコでもなく、新しい世界でした。とはいえ、思っていた以上に普通に走れましたね。安全性が増すものであるなら、見た目の問題等も世間では言われていますけど、装着に対してネガティブになる必要はない、僕はそう考えています。重要なのは、面白いレースをファンの方々に見せることですから」

「(視界のセンターに)今までなかった(縦の)棒があるという感じで、もちろん影響ゼロではないですが、視認性に関しての問題はないと思います。スタートシグナルもグリッドのどの列でも問題なく見えましたし、走っていても現状でレースをするのに不都合はないと感じました」

山本は比較的小柄だが、「いくつかの面で、長身選手には多少の制限がかかるかもしれません」との懸念も示した。ほかにもドライバー救出時の対応など、付帯的な課題は当然存在するが、「そういったことへの対策をしたうえで、装着してほしいと思います」と、2013年チャンピオンはHALO装着に賛成の意を強く滲ませている。今後さらなるテストを経ての装着/非装着の決定がどうなるか、目新しさも含めて引き続き話題になりそうだ。

なお、この日の最速タイムは山本の#11 SF19・ホンダが1分25秒020、国本の#00 SF19・トヨタが1分25秒185。参考までに現行車SF14は今年春の富士テストで、今回よりも恵まれた温度条件下ではあったが1分21秒台をマークしている。もちろんSF19のテストはまだ始まったばかりであり、現状でのタイム比較に意味はない。真価発揮はこれから、というところだろう。また、SF19についてはスピードそのもの以上に、追い抜き性能を重視した空力開発の実効性にも高い期待がもたれている。

《遠藤俊幸》

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