水素社会実現に向けて手を組んだトヨタとセブン-イレブンの思惑

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セブン‐イレブンが導入するトヨタのFCトラック
  • セブン‐イレブンが導入するトヨタのFCトラック
  • セブン‐イレブンが導入するトヨタのFCトラック
  • セブン‐イレブン・ジャパンの古屋一樹社長
  • トヨタ自動車の友山茂樹副社長
トヨタ自動車とセブン-イレブンは6月6日、東京江東区のMEGA WEBで共同記者会見を行い、燃料電池小型トラックや発電機など水素を活用した共同プロジェクトを2019年秋から開始すると発表した。

その狙いについて、セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は「今回の取り組みはトヨタさんの技術・ノウハウを提供してもらい、共同でCO2削減を図り、次世代の環境配慮型店舗を構築することだ」と話す。

セブン-イレブンは廃棄物削減など環境問題に力を入れており、5月22日には環境配慮型店舗として太陽光パネルや風力、路面太陽光などを利用した店舗をオープンした。今回の共同プロジェクトによって、さらにその動きを加速して企業のイメージをアップさせようというわけだ。

一方、トヨタの友山茂樹副社長は「FCV(燃料電池車)を普及させるために必要なのは水素の供給インフラ。水素利用の需要が上昇すれば、インフラの整備も進む」と話す。そこには、2014年12月に発売したFCV『MIRAI(ミライ)』の普及が思うように進まないという事情がある。

15年こそ「水素元年」ということで、ミライは活況を浴びていたが、なかなか水素インフラの整備が進まず、いつの間にかFCVの存在感が薄れてしまった。その代わりに脚光を浴びるようになったのが電気自動車(EV)で、EVを発売していないと自動車会社として遅れているというように見られるなった。

トヨタとしては、本当に環境にいい車はFCVとの思いが強く、何とかもう一度FCVを脚光を浴びる存在にする必要があった。しかし、乗用車のFCVだけではなかなかインフラ整備も進まない。そこで、FCトラックでインフラ整備を加速させようと考え、6000台のトラックを所有するセブン‐イレブンと共同でプロジェクトを進めることになった。

FCVはEVよりも燃料の充填が早く、航続距離も長い。しかも、トラックなどの商用車は1日の走行距離も長く、燃料を頻繁に充填しなければならない。それによって、水素ステーションなどのインフラ整備も進めやすくなるというわけだ。

今回のFCトラックの開発では、トヨタの開発者がセブン‐イレブンのトラックをつぶさに観察。配送に最適なものを開発した。「セブン‐イレブンとの共同により、最高速度80km/h、走行距離200kmというコンビニでの配送に必要なトラックのスペックもわかってきた。あとは実証走行により、距離とか配送先数のデータに基づき、トラックの特性を生かしたすみわけができてくると思う」と友山副社長は話し、産業車両にFCを意欲的に取り込んでいく方針だ。
《山田清志》

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