【マツダ CX-5 2.2リットルディーゼル 試乗】ここまでコスパの高いSUVを僕は知らない…中村孝仁

試乗記 国産車
マツダ CX-5 2.2リットルディーゼル(XD Lパッケージ)
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3列シートの『CX-8』がデビューし、そこに新しい2.2リットルディーゼルが搭載されていた時点で、『CX-5』にもその新しいディーゼルが搭載されるであろうことは容易に想像が付いたが、ガソリンの2.5リットルが新しくなるのを機に、それが搭載された。

新しい2.2リットルディーゼルには高圧インジェクター、可変ジオメトリーターボが組み込まれ、ピストンにも改良が加えられた結果、 最大トルクを450Nmまで高め、最高出力も20psアップの190psとなった。まあ、数値的にはこのように変化したわけだが、ではそれがどの程度体感できるかと言えば、正直、新旧をすぐに乗り比べてみたところで、それほど劇的な差とは体感できないと思う。しかし、エンジン回転全体の滑らかさや音の伝わり感、そして室内の静粛性に関しては確かな違いを感じられる。

同じエンジンを搭載したCX-8と比較した場合はどうか。これは車重の差がそのまま加速フィールの差となって表れ、大人3人分(ほぼ200kg)身軽になったCX-5の方が、やはり顕著なダイエット効果を発揮する。昨年CX-8に初試乗した時は、旧型エンジンのCX-5に対して、むしろCX-8の方が速いのではないかと感じるほどだったが、さすがに同じエンジンが搭載されると、やはり軽い分の差が顕著であった。そして、ホイールベースも短いから、全体的に動きも活発である。とりわけ今回良いなと感じたのは、そのホイールベースの短さによる乗り心地の違いをそれほど大きくは感じなかったことだ。

例によって商品改良と称する今回の変更では、外観は全く変えていない。だから、少なくとも外から見ている限り、改良もへったくれもないのだが、内装の方は若干手が加えられた。といってもデザインに手が加えられたというわけではなく、360度ビューモニターが新たに設定されたことだ。もっとも以前から指摘しているのだが、そもそもマツダのディスプレイが7インチという小さなサイズであること。加えて360度ビューモニターはそれを半分にしてリアビューと共に表示されるため、小さすぎて細かいところが判別しづらい。このあたりの商品改良を次回にお願いしたいところである。

ついでにもう少し商品改良をお願いしたい部分としては、これは個人差があるかもしれないが、インテリアの質感は良いとして、色使いが少々地味である。この際だから、もう少し高級感を感じられる演出があっても良いのではと思った。もっとも現状の価格を考慮すれば、それは少々おねだりが過ぎるかもしれないが…。

というわけで新しくなったCX-5 XD、相変わらず抜群の費用対効果を持っている。少なくともV8並のトルク感を有する力強いエンジンに、クォリティーの中々高い作り、そして数多くのセーフティデバイスやヨーロッパの高級車でもハイエンドにしか設定がないようなアダプティブヘッドライトの装備等々、とりわけ装備の充実ぶりは目を見張る。故に2017年JDパワー日本自動車魅力度調査において、このセグメントのNo.1という評価を得たというのも十分に納得できる。

何よりこれだけの装備と性能を持ちながら、FWDモデルの価格は329万9400円。さらにナビのSDカードなどのオプションを加えた試乗車でも、その価格は350万円に届かなかった。因みにこのクルマ、最廉価版だとその価格は250万円を切る。ここまでコスパの高いSUVを僕は知らない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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