気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2018年4月25日付
●JXTG新社長に杉森氏、子会社から昇格、内田社長は会長へ(読売・8面)
●EV世界の期待乗せて、専門家の経済講座(読売・8面)
●米長期金利3%突破、貿易摩擦緩和、利上げ加速観測(読売・9面)
●安心の設計、チャイルドシート、金具式、ベルト式2タイプ(読売・13面)
●財務省異例の2トップ不在、福田氏辞任、処分は先送り(朝日・1面)
●円安108円台2か月ぶり水準、東京市場米の長期金利上昇受け(朝日・9面)
●宅配無人配送、公道で実験、ヤマトとDeNA(毎日・7面)
●神戸製鋼捜査へ、東京地検と警視庁、データ改ざんで(産経・1面)
●こちら原発取材班、原発事故から7年、浪江町の様子(東京・4面)
●道交法改正で乗れない車増加、消防団員の準中型免許取得支援(東京・6面)
●親子で学ぶ経済編、「働く車」電動化ライバルが協力(東京・7面)
●「シェア」事業保険で安心、三井住友海上(日経・7面)
●滴滴、カーシェア世界連合、トヨタなど31社に拡大、EV開発「所有から利用へ」促す(日経・13面)
●電動車中国に先行投入、北京自動車ショーで日本勢(日経・13面)
●3社連合の独立性強調、ゴーン氏退任へ備え、三菱自益子CEO(日経・13面)
ひとくちコメント
自動車の世界最大市場の中国企業は、アライアンスを組む企業連合の規模も半端な大きさではなく大胆である。「北京国際自動車ショー」がきょう4月25日から開幕するが、自動車関連のニュースも「北京発」が増えつつある。
そんな中、中国でライドシェア最大手の「滴滴出行」が、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)など世界の自動車大手や部品大手など31社が参加するカーシェアリングの企業連合を立ち上げるという。北京市で滴滴が発表したもので、きょうの日経が「滴滴、カーシェア世界連合、トヨタなど31社に拡大、EV開発」などと、大きく報じている。
それによると、企業連合の名称は「洪流連盟(Dアライアンス)」としており、トヨタのほか、独VW、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車連合、韓国・起亜自動車の合弁会社が参加。部品分野では独ボッシュと独コンチネンタルも参加する。
滴滴は2月に12社と提携して電気自動車(EV)のカーシェア事業に参入すると発表していたが、「トヨタやVWを巻き込んで具体的かつ大規模になった形だ」(日経)という。
滴滴の狙いは、4億5000万人の利用者の走行データなどを人工知能(AI)で解析し、カーシェアの利用者が求めるニーズを詳細に把握。製造コストの半減をめざした専用EVを共同開発し、消費者が必要な時に安価に利用できる仕組みをつくることだそうだ。
日経によると「新車販売が柱の自動車産業の構造に影響を与える可能性がある」とも伝えている。最近は日本でも大都市圏を中心に維持費が安いカーシェアリングが増加する傾向にあるが、保有台数からみればまだまだマイカーを購入して利用するのが一般的だ。
とくに中国では、見た目が大きくて立派なセダンタイプを好むなどの「見栄え」を求められる傾向にある。世界規模で企業連合を結んだ今回の滴滴のチャレンジで、消費者は自動車に対する価値観が「買う」から「借りる」、「所有」から「共有」へと大きく変わるのかも注目したい。