加速する自動車の電動化、カギを握る「二次電池」の最前線を知る…バッテリージャパン 2月28日開幕

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自動車の電動化に拍車が掛かり、二次電池への重要性が益々高まっている。写真は日産リーフ
  • 自動車の電動化に拍車が掛かり、二次電池への重要性が益々高まっている。写真は日産リーフ
  • 日産リーフに搭載されているリチウムイオン電池(参考画像)
  • トヨタプリウスPHVのリチウムイオン電池ユニット(参考画像)
  • バッテリージャパン前回のようす
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各国の自動車メーカーが相次いで“脱ガソリン車”を掲げ、自動車の電動化が加速している。それに伴い、搭載される「二次電池(バッテリー)」の性能向上が、普及に向けての大きな課題となっている。今、電池開発の現場では何が起きているのか。

2月28日から3日間、東京ビッグサイトでは『バッテリージャパン』が開催される。世界15か国から300社の電池関係各社が結集し、電池を構成する材料・部品から、製造装置、検査・試験装置、そして完成品まで、まさに二次電池の「今とこれから」を見て、触れることの出来る国際商談展となる。

目玉となるのが、電池業界を牽引する企業や、関係省庁による講演会や専門技術セミナーだ。自動車メーカーではトヨタ自動車、日産自動車、BMWからEV開発者らが登壇。さらに、マクセル、BYD、テスラなど今の電池業界をけん引する名だたる電池メーカーが登壇し、次世代電池の最新事例、そして未来を語る。
バッテリージャパン前回のようす
本稿ではバッテリージャパンの開催に先駆け、電動化車両の高性能化に欠かすことの出来ない「リチウムイオン電池」、そしてポスト・リチウムイオン電池として期待されている「全固体電池」について、日本EVクラブの副会長を務めるジャーナリスト御堀直嗣氏が解説する。イベントの予備知識として頂ければ幸いだ。

◆リチウムイオン電池がなぜ電動化車両のカギなのか

電動化とは、必ずしも電気自動車(EV)だけではなく、エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド(HV)や、充電も可能なプラグインハイブリッド(PHV)も含む。これら電動化車両にとっては「二次電池」の存在が欠かせない。

自動車で使われる二次電池は、永年にわたり補器(エンジン始動やエアコンディショナー稼働等)の電源として用いられてきた鉛酸電池(通称「鉛電池」)がよく知られるところだ。これに対しEVに搭載されているのは、高エネルギー密度を有するリチウムイオン電池である。

鉛酸電池も、リチウムイオン電池も、同じ二次電池ではあるが、充放電の仕方が異なる。鉛酸電池や、HVにこれまで使われてきたニッケル水素電池は、電極が化学変化を起こすことで充放電を行う。これに対しリチウムイオン電池は、プラス側の電極(正極)に、リチウムイオンを含んだ金属を使い、そのリチウムイオンがプラス極とマイナス極を行き来することで充放電を行う。したがって、電極の金属が化学変化を起こさないため、充放電を繰り返しても劣化の少ない「長持ちする二次電池」となり、充放電を頻繁に繰り返す電動車両にとってうってつけの二次電池なのである。

また、リチウムイオン電池は1セル(電池の最小単位)から得られる電圧が鉛酸電池に比べて大きいので、同じ電流が流れたときの電力が大きくなるのも特徴だ。
日産リーフに搭載されているリチウムイオン電池(参考画像)
しかし、リチウムイオン電池を搭載したEV、三菱『i-MiEV』や日産『リーフ』の量産・市販が開始された後も、一充電あたりの航続距離に課題が残った。これはPCや携帯電話に比べ、はるかに高電圧で使用するEVで、過充電による万一の発熱や発火事故が起こらないよう安全性を優先したためである。

それから7~8年の歳月をかけ研究開発が進み、三元系と呼ばれるプラス電極が採用されるに至り、EVの一充電走行距離は400km級に飛躍的に延びた。三元系とは、マンガン、コバルト、ニッケルを指す。このリチウムイオンの含有量が多い金属や、万一の過充電でもショートしにくい金属を合わせることで、高容量と安全性、寿命の両立をはかっている。

◆ポスト・リチウムイオン電池として期待される「全固体電池」とは?

リチウムイオン電池には、充放電を促す「電解質」が電池内に封入されている。この電解質はジェル状であるため、車載時に電解質に偏りが生じる可能性があり、それによって性能や寿命に影響が出るとされている。

そこで、電池の性能をより使い切ることができるようにと考えられたのが、電解質を固体とした「全固体電池」だ。電解液を使わないことにより、リチウムイオンの移動に抵抗が少なく高電圧で使え、液が無い分薄く作ってセルの積層を増やすことで大容量にできたりする。

全固体電池は電解質の漏れの心配がなく、小型化の設計も可能になることから、各社がその開発にしのぎを削っている。小型化や搭載性が高まれば、EVのみならず、HVやPHVのパッケージングやデザインの幅を広げることができる。あるいは、一充電走行距離を大幅に向上させる選択肢も生まれるだろう。

リチウムイオンの通り道となる固体の電解質の開発自体がまだ途上にあるため、まだ実用化に至っていないが、ポスト・リチウムイオン電池として期待が高まっている。

このように、二次電池の進化が今後のEV性能に直結する。その最新動向に触れることのできるのが、2月28日から東京ビッグサイトで開催される『バッテリージャパン』である。世界15か国300社の最新技術・製品が展示されるほか、EVメーカーや電池業界を牽引する企業によるセミナーも開かれる。激化する電動化車両向け二次電池開発の今を知る、価値あるイベントとなる。

世界を見渡せば、2017年フランスとイギリスが相次いでエンジン車の販売を2040年に禁止すると発表し、自動車の電動化に拍車が掛かり一気に本格化した。インドでは2030年にEVのみの販売へと動いており、東京都も、2040年代にエンジン車の販売を禁止することを表明した。自動車の電動化へ向けた動きは確定的であり、その普及のカギを握る二次電池を知らずして、自動車の未来は語れないところまで来ている。

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■第9回[国際]二次電池展 -バッテリージャパン-
会期:2018年2月28日(水)~3月2日(金)10:00~18:00(最終日のみ17:00まで)
会場:東京ビッグサイト
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第9回[国際]二次電池展 バッテリージャパン詳細はコチラ!
《御堀直嗣》

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